過去の活動報告 No.43




第148回  噺の会じゅげむ定期公演 

 第35回 高槻市民寄席 

と  き  平成18年5月21日 午後2時開演

ところ  高槻市生涯学習センター 1階 展示ホール

共 催 高槻市生涯学習センター/噺の会じゅげむ

        

午後1時30分、開場です。受付の前には早く

から待っていていただいた方もおられました。

ありがたいことです。

さて、午後2時ちょうど、石段の出囃子とともに

第35回「高槻市民寄席」の開演です。

トップバッターは文々亭小輔さん。演目は「動物

園」です。小輔さんは別名「落語ライダー」と呼

ばれているくらいオートバイのツーリングが

大好きで、この日も堺の自宅から会場の高槻

までオートバイで駆けつけてきました。

移動動物園の目玉である虎が死んでしまいま

す。楽して儲かる仕事を探していたこの男、虎

の毛皮に入ってその虎の代理を務めることにな

りました。勝手気ままに虎の生活を楽しんでい

ましたが、やがて、びっくりするような大事件 !?

が起こります。

二番手は阿遊亭弘遊さんです。ネタは「色事根

 

問」。いかにすれば、女性にもてるのかという秘

 

訣を教えてもらう噺なんですが、聞くところによ

 

ると、弘遊さんも若い頃はずいぶんと女性にも

 

てたそうです。

司之助さん曰く「あやかりたい!!」

男が女性にもてる為には「1見栄、2男、3金、

 

4芸・・・」と続きますが、この主人公の男は、

 

その1・2・3ともまるでダメ。でも、芸だけは

 

自信があると胸を張ります。その秘伝の芸と

 

いうのは「宇治の名物・蛍おどり」。名前は粋で

すが、さて、実体は・・・

お茶子さんの天乃小てるさんです。写真では普

 

通の見台と膝かくしに見えますが、実は、従来

 

使っていたものよりひと回り大きくなっており、

 

何と重量は前の約3.5倍なので、移動させる

 

のにも一苦労します。うちの会では、お茶子さ

んも体力が必要なようです。

3番手は寿亭司之助さん。演目は「死ぬなら今」

 

です。ちょっと変わったタイトルの噺ですが、内

 

容は上方落語の大ネタ中の大ネタ、「地獄八景

 

亡者戯れ」の縮小版といったところでしょうか。

 

コンパクトな地獄の旅が楽しめます。

 

主人公は、ケチ兵衛という名前のとおり筋金入

 

りのケチです。病気で亡くなり、300両の小判

 

を持参して地獄へ旅立ちました。閻魔大王に

 

直談判をした結果、その小判のおかげで極楽

 

へ行かせてもらいます。一方地獄ではその小判

がニセ物だった為に大騒動に・・・

中トリは三流亭志まねさんです。演題は「宮戸

川」の一席。志まねさんは当会KOBE(神戸)

所属で東京落語をされますが、この「宮戸川」

は、いかにも東京らしい粋な艶っぽい噺ですね。

でも、タイトルの「宮戸川」という川は噺の中に

出てきません。

親戚のおじさんの早とちりから、若い女性と一夜

 

を過ごすことになった主人公の男性。最初は

 

お互い敬遠してましたが、落雷のおかげで思い

 

も寄らないことに・・・。後半は芝居噺になりま

 

すが、通常はここで終わります。この後半に宮

戸川が出てくるそうです。

おかげさまをもちまして、この日も132名のお

 

客様にご来場いただきました。まことに有り難

 

うございます。

 

当日のプログラムに掲載している喜怒家哀楽

 

さんのコラムは特集の「人生!喜怒哀楽!!」

収録しています。

中入り後は喜怒家哀楽さん。ネタは「鉄砲勇助」

 

です。この噺も志まねさんの「宮戸川」と同様、

 

後半に「鉄砲勇助」という人物が登場しますが、

 

通常は前半だけ演られますので、「鉄砲勇助」

 

は噺の中には出てきません。

主人公の千三つ屋(うそつきのこと:千のうち

 

本当のことは三つしかない)が次々と話す滅茶

 

苦茶な旅の話は、ウソやとわかっていてもつい

 

つい引き込まれる楽しいものばかりです。これ

 

も一種の才能と言えるかも知れませんね。

 

トリは洋酒家巧駆さんです。演題は「仔猫」の

一席。上方落語の中でもなかなか難しい噺の

部類に入る落語だと思います。

噺の前半は、どこにでもある商家の番頭さん

 

や丁稚さん、そして女御衆さんたちのほのぼの

 

とした日常風景が繰り広げられます。主人公

 

の少々不細工な女御衆さんの陰ひなたのない

 

働きぶりに感心するんですが、急転直下、

怪談噺へと変化します。

そういったネタなので、当然、ハメなんかも入り

 

ます。激しい場面転換にはドラ(ジャンジャンと

 

派手にたたく)が効果的ですし、しみじみと語る

 

場面では、遠くの鐘の音としてのドラ(ボーンと

 

静かに打つ)が必要です。それに続いて三味

 

線が入ります。

全体的に時間が少々押してしまい、終演まで

 

2時間半の長丁場でしたが、トリの巧駆さんの

 

演ずる笑いあり恐怖ありといった演目「仔猫」

 

にお客さんもついつい引き込まれ、時間を忘れ

 

て楽しんでいただいたようです。次回6月18日

の「駅前寄席」もよろしく願います!



第149回 噺の会じゅげむ定期公演

 高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.104


と  き 平成18年6月18日(日) 午後2時開演

ところ 高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 

             

「駅前寄席」もJR高槻駅前の西武百貨店に

移転になり4回目にしてやっと好天に恵まれま

した。傘がちらほら見えますが、みんな日傘で

す。

百貨店の正面玄関にも案内告知を掲示してい

ただきました。


  
父の日の贈り物 〜 「駅前寄席」 (^_^)v

会場設営を終えた6階多目的ホールの舞台

では、この日は出番のない喜怒家哀楽さんが

稽古してました。実に熱心ですね。

開演前は、駅前寄席ではおなじみの飛び入り

出演、ミルキー駿二(島凡太)さんが漫談で

会場の雰囲気を和ませます。今回のネタは昔

懐かしい芸人さんたちの芸談でした。芸歴の長

さを物語っています。

開演準備も完了し、受付では和気あいあいと

お客さんのお越しをお待ちしています。

さて、第104回「高槻オーロラシティ・駅前寄席」

の開演です。おかげさまで、開演時にはご覧の

とおり客席はほぼ満席の状態でした。

今日のトップバッターは花乃家めぞんさん。

演目は「たけのこ」です。

侍が隣家から伸びてきた「たけのこ」を争奪し

あうという下級武士の生活感あふれるほのぼ

のとした噺です。小咄ながら、トンチの利いた

楽しい落語ですね。

二番手は当会KOBE所属の三流亭志まねさん

です。演題は「水屋の富」。

昔は飲料に適した水が少なかったので、水屋

さんが売りに回っていたそうです。その水屋さ

んに富くじが大当たり。お金があったらあるで

新たな悩みを抱えてしまいます。


当会専属お茶子さんの天乃小てるさんです。
三番手はゲスト出演の正直亭黄門さん。老人大

学で桂枝三郎さん直伝の三枝師匠作「お忘れ物

承り所」を披露していただきました。芸名ぴったり

の容貌です。




列車や駅での忘れ物を保管する「お忘れ物承り

所」が舞台となります。忘れ物をした人の慌てよ

うとドジさ加減が楽しい落語です。






無事に一席を終えて、楽屋に戻る黄門さんを助

さん格さんがお出迎え!?









中トリは文々亭小輔さん。演目は「茶の湯」です。










文化人のたしなみ「茶の湯」を知ったかぶりの商

家の旦那が見よう見まねで始めたことで大騒動

が起こります。えせ茶の湯で店の使用人だけで

なく近所の人にまで迷惑をかけまくりです。




おかげさまをもちまして、今回も119名の方にご

来場いただき、大入りとなりました。まことにあり

がとうございます。






中入りの後は潮吹亭くじらさんです。

当日のプログラムに好評連載中のくじらさんの

コラムは「くじらのひとりごと」No.76に掲載して

います。ネタは十八番の「宿屋町」。今日の演目

の中では唯一ハメ(お囃子)の入る噺です。


旅のネタで、旅にはなくてはならない宿屋での噺

です。宿屋の女御衆(おなごし)さんが旅人を何

とか自分の宿に引き込もうとする風景描写なん

ぞは昔の旅の道中が目に浮かぶようです。




さて、本日のトリは阿遊亭弘遊さんです。演題は

「千早ふる」の一席。上方落語では「竜田川」とい

う演目でも演られる噺です。






百人一首の在原業平の名歌「千早ふる神代もき

かず竜田川。からくれないに水くくるとは」の解釈

を巡る噺なんですが、どういう訳かこの歌が相撲

取りの失恋物語になってしまいます。




弘遊さんの今日の着物は、娘さんからの父の日

のプレゼントやそうです。これ以上はないという

喜びで弘遊さんも大はしゃぎの高座でした。









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