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噺の会じゅげむ定期公演 VOL.120

 第88回 グリーンプラザ 駅前寄席 

と  き  平成15年12月7日 午後2時開演

ところ JR高槻駅前 グリーンプラザたかつき1号館 4階 多目的ホール

主 催 グリーンプラザたかつき1号館

 

今年最後の定期公演です。この駅前寄席が

発足してから11年と1ケ月にして88回を数

えました。また、定期公演としては120回目

となります。この数字を見て「よく続いたもの

だなぁ」というのが実感ですね。

写真は、開演前に稽古をする弘遊さんです。

本日の受付係は、会の後半に出演予定の

トリの拾八さんとモタレ(トリの前)の小輔さん

の泉州コンビ。プログラムや次回のチラシの

配布準備に大忙しです。

今日の番組には、ハメ(鳴り物)の入る噺が

二席あります。開演前に入念に音合わせを

するくじらさんと拾八さん。

開演15分前には、今回もミルキー駿二さん

が飛び入り出演です。昔懐かしい芸人談や

歌い手さんの逸話なんかで楽しませてもらい

ました。

一方、受付では続々とお客さんがお越しに

なってます。最初は、寒さのせいか、ちょっと

お客さんの出足も遅れ気味で、「客の入りは

その日のトリの人気のバロメーターや」との

意見に拾八さんが少々心配していましたが、

案ずるより産むが易しで大丈夫でした。

時間どおり2時ちょうどに開演です。昔は、

お客さんが入らず、開演が30分遅れとか

いうこともありました。今日のトップバッター

は、駅前寄席では古株で30分遅れの時の

トップを勤めたこともある寿亭司之助さん。

ネタは「大安売り」の一席です。

別にバーゲンセールの噺ではありません。

相撲取りが「一年を二十日で暮らすよい男」

と言われていた頃の大相撲の噺です。知り

合いの関取を見つけたこの男、連れに自慢

をしようと一生懸命になりますが、この関取、

負けた話ばっかりで面目丸つぶれに…。

二番手は年齢不詳!?の阿遊亭弘遊さん。

演目は「色事根問」です。もてる男の条件と

は…? 世の男性の永遠のテーマかも知れ

ませんね。年季の入った弘遊さんから得々と

語られると実に説得力があります。

一見栄、二男、三金、四芸、五せい、六おぼ

こ、七せりふ、八力、九肝、十評判・・・

どの条件ももっともなことばかりですが、喜六

にはあてはまりません。唯一、喜六の自慢の

芸「宇治の名物ほうたる(蛍)おどり」というの

がありますが、これがとんでもない芸で…

お茶子さんは天乃小てるさんです。最近の

寄席では、あまりお茶子さんを見かけなく

なりましたが、昔は、寄席の進行役をやり

ながら休憩時にお茶やお菓子を売ったり、

芸人さんの世話をしたりと欠かせない存在

でした。

三番手は洋酒家巧駆さん。演題は「子ほめ」

です。今日は、マクラがわりに得意の三味線

の演奏で楽しませてくれました。生の三味線

が入るだけで寄席の雰囲気はグッとそれらし

くなります。おかげで、これからの当会公演も

ネタの幅が広がることは間違いありません。

三味線の音色を満喫した後は、本芸の落語

です。ただでお酒を飲むために、人をほめて

ほめてほめちぎろうとしますが、中途半端な

知識しか仕入れていないので、それが裏目

に出てばかりです。さて、この男、うまいお酒

にありつけるのでしょうか?

中トリは潮吹亭くじらさん。演目はネタおろし

の「餅つき」です。ストレートに「尻餅」とも言い

ますが、やっぱり「餅つき」の方が雰囲気的

にいいですね。季節的にもぴったりのネタで

す。少々エロチックですが、昔の庶民の悲哀

がよく表れている噺です。

楽屋では、小輔さんがハメを担当。きっかけ

をはずさないように真剣に高座のくじらさん

を見つめています。

このネタのポイントは、餅をつく音をいかに

リアルに表現するかです。くじらさんは音の

出し方をかなり研究したようです。

その甲斐あってか、餅をつく場面では客席か

ら思わず拍手が起こりました。そして、くじら

さんが落語「餅つき」を演じ終わった後、お客

さんから「つきたての餅が食べたくなった」との

声も。演者冥利に尽きるお言葉ですね。

今日は、師走の寒さの中にもかかわらず、

128名のお客さんにご来場いただきました。

本当にありがとうございました。

当日のプログラムに好評連載中のくじらさん

のコラムは、「くじらのひとりごと」

bT4をご覧ください。

中入り後は、文々亭小輔さんです。ネタは、

「太鼓腹」。わがままし放題の若旦那の茶屋

遊びの噺です。若旦那のお遊びの犠牲にな

るのは男芸者とも言われる幇間(太鼓もち)の

繁八ですが、幇間も辛いものでどんな客にも

逆らえません。

「生兵法は大けがの元」とはよく言いますが、

大した知識もないのに、繁八にハリ療治を

施す若旦那。ところが、そのハリが抜けなく

なり大騒動に。その悲惨な結末とは…?

茶屋遊びなんかとは無縁の小輔さんですが、

実に味のある若旦那と幇間でした。

さて、本日の大トリは仁六家拾八さんです。

演題は季節ネタの「除夜の雪」でした。最近

の大阪では、12月でも雪を見ることが少なく

なってきました。

噺の前半は、お寺の大晦日を迎えるあわた

だしい風景の中、小僧たちの生活感あふれ

るやりとりが楽しめます。しかし、中盤には、

一転怪談仕立てになり、後半の人情噺へと

展開します。聞くところによると、この噺は

大阪市内であった実話らしいです。

噺も佳境にさしかかる頃、除夜の鐘のハメ

をドラで入れる楽屋のくじらさんです。

 

自らの命を絶ってしまった伏見屋の御寮人

さんのお通夜の情景は、しみじみと涙を誘い

ます。今年最後の駅前寄席のそのまた最後

の落語にふさわしい拾八さんの高座でした。

というところで、今年最後の定期公演も無事

にお開き。おかげさまで今年も12回の定期

公演はいずれも大入満員でした。打上げ兼

忘年会はいつもの吟醸酒蔵みゅ〜じあむ

です。今回もみゅーじあむ名物の「これでもか

鍋」。この日のメインは鴨肉でした。

見てください、この膨大な!?野菜の量。

でも、ほとんど平らげてしまいました。

今回は小てるさんのお友達の女性も二人

参加していただき、宴も明るく盛り上が

りました。仕事で参加できなかった笑吉

さんと哀楽さんの生き霊が出てきそう…!

 

噺の会じゅげむ定期公演 VOL.121

第23回 高槻市民寄席

  

と  き  平成16年1月18日 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階展示ホール

共 催 高槻市文化振興事業団・生涯学習センター/噺の会じゅげむ

 

初春恒例になりました「噺の会じゅげむ」の

『吉例顔見世大興行』です。「今日は、どれく

らいのお客さんが来てくれはるやろ?」などと

毎回、心配していますが、お囃子の音につら

れてか、開場時間の前から続々とお客さんの

姿がホール前に集まって・・・。

舞台の設営中です。どういう訳か、この日は、

いつも使っている毛せんが行方不明。借り物

の厚く長―い毛せんに悪戦苦闘しながらも、

何とか高座をしつらえました。

昨年の『顔見世大興行』にもお越しいただい

た大阪学院大学落語寄席研究部のOBの

「希路凛(けろりん)社中」の皆さんです。

会場設営をもお手伝いいただき、その後も

早くから音合わせやリハーサルに余念が

ありません。

さて、開演直前であわただしい楽屋の一コマ

です。今回は仁六家拾八さん(右端)が、会を

代表して一番最初に新年のご挨拶をすること

になっています。笑顔も少々引きつってます

な。

午後2時ちょうど。開演時間です。客席は、

ご覧の通り、すでにほぼ満員の状態でした。

定番ながら生のお囃子の「石段」が鳴り出す

と、高座にスポットライトが当たり、会場内の

照明を少し落として、いやがうえにも寄席の

雰囲気は盛り上がります。

ということで、2004年の噺の会じゅげむの

定期公演の初席のトップバッターを勤めるの

は、仁六家拾八さんです。いつもにこやかな

拾八さんですが、この高座は新年の挨拶と

いうことで、結構緊張してたみたいでしたな。

こんな真剣な顔はめったに見れません!?

何しろ今日は「顔見世大興行」ということで、

大阪・岡山・小倉の当会落語部門の全員の

10名が出演しました。そのため演目も全員

が軽い噺ばかりです。拾八さんの今日のネタ

は「たけのこ」。下級武士の生活を描いた実

に軽妙な笑いでペーソスあふれる噺です。

2番バッターは、文々亭小輔さん。演題は、

ネタおろしの「江戸荒物」です。ベッタベタの

大阪の人間が、生半可に仕入れた知識で

もって江戸っ子を気取って、怪しげな江戸弁

を駆使?して荒物屋を始めるのですが・・・。

商売の難しさが垣間見られる落語です。

持ちネタの数も順調に増え、どのようなネタ

を演っても安定感が増してきた小輔さんです

が、今回の田舎者の女子衆さんもいい味出

てました。東京と大阪、そして昔と今では物

の名前もずいぶんと変わって来ているのが

よくわかる噺です。

今回は、史上初!?のトリプルお茶子さん

です。右から、小倉出張所のみちのく小雪さ

ん、大阪本店の天乃小てるさん、岡山支店

のいつき乃小桃さんです。出演者はともかく

としても、お茶子さんが3人もいるなんて、こ

んなゴージャスな寄席って他にはないかも。

三番手は、自称若手(でも最年長!?)の

阿遊亭弘遊さんです。でも、落語に取り組む

姿勢は真摯で、メンバーのみんなも見習わ

なければならないと思っています。最近は

マジックにも挑戦しており、近々、ご披露す

る日が来るかも・・・。

今日のネタは、「秘伝書」です。夢のような

生活を送るための秘伝の書、世間でいうと

ころのいわゆる、ハウツー本のことですが、

もったいぶって売ってるわりには、内容はか

なり怪しげです。誰か私にも落語が簡単に

うまくなる方法を教えて!!

四番手は潮吹亭くじらさん。演目はネタおろ

しの「鷺(さぎ)とり」です。この噺はくじらさん

が、落語にのめり込んだきっかけの噺で、満

を持しての高座でした。賑やかな「にわか」の

場面では、101匹わんちゃんやスマップが飛

び出す「くじら流落語」の独壇場でした。

金儲けの為に高価に売れる鷺をとって売ろ

うと考えたこの男ですが、欲張りすぎて大変

なことに・・・。

当日のプログラムに好評連載中のくじらさん

のコラムは、「くじらのひとりごと」

bT5をご覧ください。

会の前半のお茶子さんを勤めるのは、大阪

本店の天乃小てるさんと岡山から出張の岡

山支店専属のいつき乃小桃さんです。二人

で協力して手際よく高座の段取りを進めます。

5番手は、一昨年に発足した当会岡山支店

の讃岐家かずのこさんです。十八番ネタの

「ひとり静」の一席です。何気ない日常会話

の落語ですが、大阪と東京の文化やお笑い

思想等の違い(実は大阪人の東京に対する

コンプレックス?)がよくわかります。

古典落語より創作・新作落語を演じることに

比重を置いているかずのこさんですが、自称

「噺の会じゅげむのお猿さん」というユニーク

なキャラクターで、古典落語では表現できな

いような味を引き出しています。今年は申年

なんで、より一層の活躍を期待してますよ!

本日の中トリは喜怒家哀楽さん。まずは泉大

津市のT.Y企画さんからご寄贈いただいた

「寿限無ベスト」のご紹介。表にキャラクター、

裏に寿限無の全文が入ってます。これは最

後にプレゼントしました。興味をお持ちの方

は、0725-33-7186  T.Y企画」さんまで。

そして、哀楽さんの高座では恒例になった

下座の紹介です。普段見ることの出来ない

お囃子の姿をついたてを取っ払って、お客さ

んにもご覧いただきました。やはり珍しいの

か、後ろの方のお客さんも総立ちになって

それぞれの演奏に見入ってられましたね。

哀楽さんのネタは、得意の「時うどん」です。

まず最初は、昔の時刻に関する知識の予習

から入ります。一見、複雑ですが、フリップを

使ってわかりやすい解説を進める哀楽さんの

授業?で「時の数え方」のからくりを理解する

と会場から思わず「へぇー」が連発!!

お寒い中にもかかわらず、この日は、史上最

高の256名のお客さんにご来場いただきまし

た。本当に感謝感謝です。「150人くらいなら

御の字かな」と言ってましたが、用意していた

お年玉プレゼント200個では足りず、急きょ

50個追加しましたが結局足りませんでした。

中入り後は、昨年の夏に発足した北九州市

の小倉出張所からわざわざ出張いただいた

山椒家小粒さんです。大阪におられる時は

当会では珍しい江戸落語担当として注目を

浴びていましたが、今や、九州でもテレビや

新聞に取り上げられるほどの人気者です。

演目は「つる」の一席です。聴き慣れた上方

落語の「つる」とほぼ趣向は同じなんですが、

サゲまでの段取りが少々違っていておもしろ

いです。小粒さんの歯切れのいい江戸言葉

と東京落語のテンポのよさとを久々に堪能さ

せてもらいました。

8番手は、こちらも岡山支店から出張してこ

られた吉備家めじろさんです。演題はこの日

の10席の中で唯一と言っていい季節ネタの

「初天神」です。25日は菅原道真公の命日

で、1月25日はその年の最初の命日なので

「初天神」と呼ばれて露店等で賑わいます。

同じ岡山支店のかずのこさんとは対照的な

独自の世界を持つめじろさん。初天神で賑

わう天満宮の境内でのほのぼのとした親子

の会話をユーモラスに演じます。最後に出て

くる「いか」は「いかのぼし」と言って空に上げ

る「たこ」を昔大阪ではそう呼びました。

会の後半のお茶子さんを勤めるのは、小倉

出張所専属のみちのく小雪さんです。ご主人

の小粒さんが小倉へ転勤するまでの1年間、

大阪本店のお茶子さんをやっていただいて

いました。

9番手は、下座でのお囃子も担当している

当会随一のイケメン(ジャニーズ系担当?)

の洋酒家巧駆さんです。自分の出番以外の

三味線演奏をすべてこなした上に、落語で

も会場を爆笑させるという八面六臂の大活

躍でした。実に精力的(若い!)ですね。

今日の演目は「マキシム・ド・ゼンザイ」です。

横文字で気取ったタイトルですが、「ぜんざい

公社」のリメイク版です。といっても、全く新し

い笑いを提供してくれるよくできた噺でした。

キザなウエイターが登場したりして、昨今の

グルメブームを少し皮肉った楽しい噺です。

さてさて、ついに本日の大トリの寿亭司之助

さんの登場でありまする。ネタは徳川将軍の

お世継ぎ騒動がテーマの「紀州」でござる。

この落語のために新調した葵の御紋入りの

羽織(紋は「水戸黄門ラーメン」のカップの

ふた!?)も実に凛々しいでござる・・・??

時間もかなり押しており、「寿限無ベスト」の

ジャンケン大会をやったりで、持ち時間が

無くなっていたので、「紀州」のダイジェスト

版になりましたが、逆にテンポがよくなり、独

自のハメ(お囃子)も効果的になりました。

サゲのセリフ(音)も気持ちがいいですね。

無事「吉例顔見世大興行」もお開きになり、

出演者・スタッフで記念撮影(しているところ

を横から撮った写真)です。当初の予定では、

2時間20分で終わるはずの番組が、結局、

盛り上がって3時間になってしまいました。

【写真提供:ご贔屓さん(*^_^*)さん】

打ち上げは言わずと知れた当会事務局の

吟醸酒蔵みゅ〜じあむです。今日の特製

みゅーじあむ「これでもか鍋」(別名まいった

か鍋」)のメニューは「おでん」でした。掲示

板でお馴染みのご贔屓さん(*^_^*)さん(左

から2人目)も加わっていただき乾杯です。

でも、久々の大人数での乾杯で1枚の写真

に入りきらず、上の写真と二分割になりまし

た。また、寄席のお客さんで来ていただいた

谷町6丁目の居酒屋「からや」の女将さんか

らも地元の銘酒「清鶴」を差し入れていただ

きました。どうも、ありがとうございました。

というわけで、宴もたけなわ。いい酒に旨い

肴に楽しい落語談義で酔いも心地よく廻って

きました。日頃、表舞台に出ることの滅多に

ない裏方の真琴家笑吉さんのアップで打ち

止め。この日の裏の情報は、小倉出張所の

活動報告をご覧ください!!

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