過去の活動報告 No.84







第231回噺の会じゅげむ定期公演 

 第74回 高槻市民寄席  

       
と  き  平成25年5月19日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール


共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


高槻市役所の隣のビル・高槻市総合センターの

1階の高槻市立生涯学習センターの展示ホール

が会場です。

空模様は、あいにく、雨が降ったりやんだりとい

う天気でした。


広々としたホールで、一から会場設営をします。


これは高座の設営の状況です。簡易舞台の上

に机を3脚乗せて土台を作ります。


次に緋毛氈をかぶせて、階段の土台を作りま

す。


高座への階段が出来上がりました。


緋毛氈を整え、座布団と見台とひざ隠しを乗せ

て上方落語の高座の完成です。


その間に客席の微調整を行います。全部の席

から高座が見やすいようにえるように考えてま

す。


最後にライティングの調整も結構気を遣います。




会場の外にある受付のディスプレイをやって、

会場の設営作業が終わります。ここまでの所要

時間は約1時間。



そして、近くの「めしや食堂」で昼食です。栄養

補給でがっつり食べる人、出番に備えて軽めに

食べる人、それぞれのスタイルがあります。


腹ごしらえを含み、全ての準備が終わって受付

開始です。


この日は前述のとおり、雨が降ったりやんだり

でしたが、早くから皆さんお越しくださいました。


前説担当は、今回出番のない三流亭志まね

(さんりゅうてい・しまね)さんです。山男として

も名を馳せている志まねさん。この日は、四国

の石鎚山登山から直接会場入りというハード

スケジュールでした。


さて、開演です。この時点で入場者数は100名

を超えました。


トップは、六弦亭ざくろ(ろくげんてい・ざくろ)さ

ん。ネタは、「馬の尾(うまのす)」です。昔は馬

のシッポの毛を釣り糸(テグス)に使ってました。

この馬のシッポを「馬素」と言い、「ばーす」・「ば

す」と読んでましたので、そこから、「馬の尾」を

「うまのす」と読むようになったようです。


主人公の男が釣りに行くこうとすると、釣り糸が

全部弱って切れてしまったので、たまたま家の

前につながれていた馬のシッポの毛を数本抜き

取ります。すると、その男の友人が「大変な事を

した!」と注意します。さて、何が大変なのか?

人の好奇心をくすぐるよくできた落語ですね。


この日のプログラム(かわら版)と次回の定例

会のチラシです。


二番手は、文々亭小輔(ぶんぶんてい・こすけ)

さん。演目は、「夏の医者」です。この噺は、どう

いう訳か日本レタスのチシャがポイントになって

います。まず、夏に食べるチシャは、痛みやす

いのでお腹によくないと言われており、この言葉

をお客さんの脳裏に叩き込まねばなりません。


季節は夏。ある農夫が前の晩のチシャを食べ

て倒れます。隣村の医者を呼び寄せますが、

途中、うわばみ(大蛇)に飲み込まれます。医

者はうわばみの腹の中で下剤をまいて脱出。

でも、腹の中に薬箱を忘れてしまい、もう一度

うわばみに飲んで欲しいと頼むのですが・・・


お茶子は天乃小てるさんです。


三番手は、びい亭るうず(びいてい・るうず)さ

ん。ネタは、「いらちの愛宕詣り」です。「いらち」

とは関西の方言で、「短気」や「あわてもの」や

「せっかち」のことを言います。その「いらち」の

喜六が行きつけの床屋で、愛宕山にお詣りす

ると霊験があらたかと聞き、行くことにします。


喜六は、翌朝早くに家を出発しますが、あわて

者なのでなかなかたどり着きません。それでも

何とか愛宕山に着いてお賽銭を投げますが、

財布ごと賽銭箱に入れてしまう始末。弁当を食

べようとすると、女房の腰巻きに包んだ枕!?

喜六は怒って家に帰ってみると・・・。


ここの備品の見台は、側面にハート型の穴が

開いています。


中トリは、潮吹亭くじら(しおふくてい・くじら)さ

ん。演目は、「米揚げいかき」です。「米揚げ」と

は、米をといで水切りすることで、「いかき」とは

「ザル」のことです。とは言え、今ではこの言葉

はあまり使われなくなりました。主人公の男は

この「いかき」を行商で売ることになります。


普段、仕事もせずにブラブラしている男なので、

なかなか思うように商売できません。ところが、

堂島の米の相場師に「米をあげる」という売り

言葉を気に入られ、商売がとんとん拍子に進ん

で行きます。ゲンを気にする商人といかき売り

との掛け合いが実に楽しい噺になっています。


おかげさまをもちまして、悪天候の中、今回も

入場者149名の大入満員となりました。高槻

市民寄席では、連続55回目、定例会としては

連続120回目の大入り記録の更新です。


中入り。


楽屋には、志まねさんが買ってきてくれた石鎚

山からのお土産がずらっと並びます。ごちそう

さまでした。


中入り後は、寿亭司之助(ことぶきてい・しのす

け)さん。ネタは、「宿替え」です。「宿替え」とは

今で言う「引っ越し」のことですね。しっかり者の

女房とちょっと間の抜けた亭主が、新しい長屋

に引っ越しをするのですが、これが、ドタバタと

大騒ぎになってしまいます。


上方の爆笑王と言われた、故・桂枝雀師匠の

「宿替え」は有名ですが、司之助さんは、枝雀

師匠が小米と名乗っていた頃の「宿替え」に

少しこだわって演じています。小米時代の「宿

替え」は、故・三遊亭百生師匠の口演をほとん

どそのまま演じておられました。


高座の後ろの屏風みたいな衝立ては、机の上

にパーテーションを2枚組み合わせて作ってい

ます。とにかく、現場にある物を活用するのが

当会のモットーになっていますので・・・。


トリは、このところ絶好調!?の悠々亭一光

(ゆうゆうてい・いっこう)さん。演題は、「井戸

の茶碗」です。幕末の噺家・春風亭柳枝が講釈

の「細川茶碗屋敷の由来」を人情噺に仕立て直

したものと言われています。ということは、本来、

江戸落語なのですな。

 
正直者のくず屋が裏長屋に住む浪人から安価

で仏像を買いとります。これを今度は別の侍に

これまた安価で転売するのですが、何と、この

仏像の中から小判が50両出てきて、そのお金

を巡ってくず屋が右往左往することになります。

困ったくず屋は家主に相談をするのですが・・・。



その際にやり取りをしていた茶碗が、後に「井

戸の茶碗」という名器であることが判明します。

話がどんどんエスカレートしていくところは、上

方落語の「はてなの茶碗」に似ていますし、欲の

ない人間ばかりが登場するところは、江戸落語

の「三方一両損」に似ていますね。


終演後、お客さんをお見送りする出演者たち。

皆さん、いろいろな声を掛けてくださいますの

で、それが励みになります。


一方、こちらはお馴染みになった寿亭さや豆

ちゃんのお見送りです。


会場の撤収を終え、控え室でくつろぐメンバー

たちです。


毎月の定例会でのもうひとつのお楽しみ。それ

は、打ち上げの飲み会です。落語談義に大いに

花を咲かせます。



第232回 噺の会じゅげむ定期公演

 
高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.148
   
と き  平成25年6月16日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 


会場の高槻西武百貨店です。早いもので、会

場をグリーンプラザたかつき1号館からちらに

移って8年目になります。天候は、落語日和の

晴れ。


会場入りして最初の仕事は、ホール内の状況

を記録して、机や椅子を撤収することです。床

を真っ平らにしてから、改めて会場設営を始め

ます。



入口のレイアウト(のれんの取り付け)の状況。


.

高座の設営の状況。


会場設営完了!!



お客さんにお配りする当日のプログラムに一連

番号を書き込んで、入場者数をカウントします。


プログラムに来月の寄席のチラシと西武百貨店

のイベントのチラシなどを織り込んで、配布の準

備をします。


ビデオ撮影の準備中。


フロアの各所にもPOPを置いていただいてい

ます。


全ての準備を終え、受付で談笑するメンバー

です。


そうこうするうちにお客さんのご来場です。この

ところは、会場前の早い時間から常連のお客さ

んがお越しになります。


開演直前の楽屋の様子です。


前説は、この日の出番のない寿亭司之助(こと

ぶきてい・しのすけ)さん。番組宣伝とお馴染み

になった「司之助の育児日記」でトップバッター

へバトンタッチです。


開演時には客席はほぼ満員の状態です。


トップバッターは、先月の定例会でトリを務めた

悠々亭一光(ゆうゆうてい・いっこう)さん。ネタ

は、「癪(しゃく)の合薬」です。 「癪」とは、胃け

いれんや胸やお腹のさし込むような痛みの昔の

呼び名です。主に女性の病ということで、時代

劇なんかによく出てきますね。


「癪」に対してはいろんな薬(迷信?)があった

ようですが、この噺に登場する、とある商家の

御寮人さんの「癪」の特効薬は、何と「やかん」

をなめること!? 外出中に急に「癪」に見舞

われ、お供も大慌てで「やかん」を探すします。

そして見つけたものは・・・。



高座の上に掲げる「寿限無」の額。


上二番手は、南茶亭おすし(なんちゃってい・

おすし)さん。演目は、十八番の「動物園」です。

移動動物園の目玉だった虎が死んでしまい、そ

の皮で作ったぬいぐるみに人間が入ってごまか

すことになりますが、雇われた男がいい加減な

奴で、とんでもない虎になってしまいます。


でも、本人は楽な仕事なので気に入っているよ

うです。そのうち、園内アナウンスが聞こえてき

ます。「百獣の王・ライオンと密林の王者・虎の

一騎打ち!!」。やがて、虎のオリの中に、ライ

オンが解き放たれます。すると、ぬいぐるみの

虎は大パニックに・・・。


お茶子は、天乃小てる(あまの・こてる)さん。


高座と楽屋の仕切りののれん。


三番手は、三流亭志まね(さんりゅうてい・しま

ね)さん。ネタは、「そば清」です。江戸落語で、

「そばの羽織」とも言いいます。上方落語では

「蛇含草(じゃがんそう)」という演目で演じられ

ます。江戸は「そば」を食べるのに対し、上方で

は「餅」を食べる落語になっています。


蕎麦好きの旅商人の清兵衛さん。信州でうわ

ばみ(大蛇)が人間を飲み込んだ時に食べる草

を消化薬だと思い、その草をつんで江戸に持ち

帰ります。そして、大好きな蕎麦食いの賭けを

やるのですが、蕎麦を食べ過ぎ苦しくなって、例

の赤い草をこっそりとなめてみると・・・。


当会の看板がわりの提灯。


中トリはゲストの我楽多の会の戎家ぱんだ(え

びすや・ぱんだ)さん。といっても、昨年に活動

休止した当会のじゅげむKOBEに所属してお

られたので、正月の顔見世興行などで、ご存知

の方も多いかも知れません。演題は、小佐田

定雄先生作の泥棒ネタの「月に群雲」です。


盗品を買ってくれる道具屋での合言葉が、「月

に群雲」「花に風」なのです。ところが、持ち込

まれる品物にろくな物がありません。四面足り

ない七面観音(十一面観音)や手が二本足りな

い九百九十八手観音(千手観音)や一人海に

落ちてしまったという六福神(七福神)等々。


今回もおかげさまで、入場者101名の大入り

満員となりました。「駅前寄席」では連続82回、

定例会としては連続121回の大入り記録の

更新です。ご来場いただきましたお客さんに

改めまして御礼申し上げます。


中入り。


メンバーの六弦亭ざくろさんからの差し入れ。

老舗・成田家の最中です。


中入り後は、文々亭小輔(ぶんぶんてい・こす

け)さん。演目は、「道具屋」です。上方落語で

はおなじみのネタで、よく演じられる噺ですね。

道具屋と言っても夜店のの道具屋のことで、火

事の焼け跡で拾ったノコギリや足の1本欠けた

電気スタンドなど変な品物ばかり置いている。


そんな夜店の道具屋を任されることになった

ニート?の男。元が素人なので、トンチンカン

なやり取りばかりで、さっぱり商売にならない。

そのうち、古いホコリだらけの笛を見ていた客

の指が管の中に入って抜けなくなり、その様子

を見ていた道具屋やここぞとばかりに・・・。


見台とひざ隠しと小拍子木と座布団。


トリは、洋酒家巧駆(ようしゅや・こーく)さん。

演題は、「阿弥陀池(あみだいけ)」です。実際

に大阪市の西区にある尼寺の「和光寺(わこう

じ)」の境内にある池の名称で、「和光寺」その

ものを「阿弥陀池」と呼ばれていたそうです。噺

の中にもその辺のくだりがセリフで出てきます。


明治時代に活躍した桂文屋という上方の噺家

が日露戦争の直後に作ったといわれる当時の

新作落語(現在では歴とした古典落語ですが)

です。噺の中にも「過ぎし日露の戦いに」という

セリフが出てきます。江戸落語では、「新聞記

事」という演目で演じられているようです。


町内の事は何でも知っているという男が、新聞

を読んでいなかったために、ウソの事件で驚か

されます。だまされた男は、逆に他人をだまし

てやろうと、そのウソの事件を吹聴しますが、

それが大騒動に発展してしまいます。ウソや

冗談も時と場所とを考えないといけませんね。


終演後は、スタッフ総出でお見送りします。


定例会では、すっかり恒例になった感のある

寿亭さや豆ちゃんのお見送り(バイバイ)です。


今回の打ち上げは、会場の近くの「王将」です。


ぱんださんと同じ「我楽多の会」の風流亭半丸

さんも参加いただきました(右から二人目)。


餃子にビールも最強タッグのひとつですね。



プログラムに連載中の潮吹亭くじらさんのコラ

ムは、特集コーナーの「くじらのひとりごと」

掲載しています。

 

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