過去の活動報告 No.77












第217回噺の会じゅげむ定期公演 

 第67回 高槻市民寄席  

  
と  き  平成24年3月18日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール


共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


この日は、あいにくの雨模様でした。


キャストとスタッフが総出での会場作り。この辺

が素人落語の大変さでもあります。準備と寄席

の進行と後片づけがワンセットが原則です。



見事に出来上がった高座。


受付の風景です。


今回の前説は、出番のない南茶亭おすし(なん

ちゃってい・おすし)さんです。前説は初挑戦で

すが、仕事柄なかなかのものでした。


さて、第67回高槻市民寄席の開演です。開演

時の入場者はちょうど100名でした。


トップバッターは、悠々亭一光(ゆうゆうてい・

いっこう)さん。ネタは創作落語の「任侠伝」。

この落語は任侠映画が華やかなりし頃、先代の

故・桂春蝶師匠が作った噺で、師匠の十八番で

した。当時は「昭和任侠伝」というタイトルでした

が、当代の春蝶さんは「任侠伝」で演ってます。


流行りのヤクザ映画を観てすっかり任侠道に

憧れてしまった八百屋の息子は、入れ墨を入れ

ようとしても痛くて断念。そのかわり刑務所に

入って箔を付けようとバナナを1本盗もうとしま

すが・・・。確かに、昔、映画の影響を受けた

こんな若者が多かったように思います。


受付のディスプレイ。


二番手は、文々亭小輔(ぶんぶんてい・こすけ)

さん。演目は「つる」です。実は、今回の出番は

阿遊亭弘遊(あぁゆうてい・こうゆう)さんが「つ

る」を演る予定でしたが、都合で出演できなくな

り、急きょの代です。それでも、同じ演目で代演

することはなかなかできることではありません。


このネタは上方落語の定番中の定番で、プロ

の世界では前座噺として入門後の若手の噺家

さんがよく演る演目です。喜六が甚兵衛さんに

鶴の名前の由来を尋ねて、それをまた誰かに

自慢しようとして失敗します。その甚兵衛さん

の説もかなり怪しいですが・・・


お茶子は、当会の天乃小てる(あまの・こてる)

さんです。


三番手は、島根県出身ながら江戸落語担当の

三流亭志まね(さんりゅうてい・しまね)さん。

ネタは江戸落語「長短(ちょうたん)」です。

すこぶる気の長い長さんと、これまたむやみに

気の短い短七さんの会話がこの落語です。演

目の「長短」はここからきています。


このふたりの気性は全く逆なのですが、意外と

仲がいいようです。一見、けんかのように聞こえ

るふたりの会話もよく聞くと相手を思う気持ちが

伝わってきます。長さんの煙草の吸い方を見て

短七さんは自分流の煙草の吸い方を教えてや

ろうとするのですが、とんでもないことに・・・


当会でスタッフが着用するハッピです。

(当会小倉出張所謹製)


中トリは、六弦亭ざくろ(ろくげんてい・ざくろ)さ

ん。演題は「シルバーウエディングベル」です。

この噺は、現・上方落語協会会長の桂三枝師

匠による創作落語です。高齢化社会がテーマ

のまさに現代的な落語になっています。


83歳の父親が再婚すると言い出します。相手

は若い女性といっても71歳のおばあさん。と

りあえず、ホテルで披露宴をすることになりま

すが、何せ高齢の夫婦なので、新郎新婦入場

から席に着くまで30分以上かかってしまい、そ

の後のスピーチなんかも大騒ぎになります。


おかげさまをもちまして、悪天候にもかかわら

ず、入場者154名の大入満員となりました。

高槻市民寄席では連続48回、定例会としては

106回連続の大入り記録の更新です。


中入りです。中トリの高座が終わった瞬間に、

お囃子(シャギリ)とともに「おなかいり〜」と

楽屋から大声をかけます。


毎年、当会とコラボの京都大阪交流落語会を

開催している京都の楽笑会の錦松楼さだ吉

(きんしょうろう・さだきち)さんからいただいた

新幹線の形の箱に入ったバームクーヘンです。


中入り後は、潮吹亭くじら(しおふくてい・くじら)

さん。演目は、ネタおろしの「くやみ」です。この

噺はタイトルどおり、お葬式の弔問客の風景描

写になっています。この風景は今も昔もあまり

変わらないようで、おくやみの言葉を上手に言

える人は少ないようです。


しゃべりのプロの落語家さんでもくやみで失敗

することがあるそうです。この日もご隠居さんの

お葬式で、世話になったいろんな人がくやみに

やって来ますが、まともなくやみはありません。

くやみそっちのけで、のろけを言う人、店の宣伝

ばかりの人など、葬式の受付も大変です。


定例会のネタ帳もずいぶんと分厚くなってきま

した。


トリは寿亭司之助(ことぶきてい・しのすけ)さ

ん。演題は「餅屋問答」の一席です。東京落語

の「蒟蒻(こんにゃく)問答」と筋立てはほぼ同

じです。餅と蒟蒻の違いだけですね。


噺の舞台は禅宗のお寺です。言わずと知れた

座禅で修行をする仏教で、無言の行や禅問答

はよく知られています。無言の行もなかなか難

しいそうですし、修行僧が悟りを開くために行う

禅問答は哲学的で奥が深いものです。


村の世話役の餅屋のおやじさん、そんな厳しい

禅宗のお寺に、何も知らないいいかげんな男を

住職として送り込みます。そこへ越前・永平寺の

修行僧が禅問答にやってきて大騒ぎになります

が、責任を感じた餅屋のおやじさん、この騒動

を解決すべく、大活躍します。


今回の打ち上げは、高槻市内の「イタメシヤ」

に行きました。


イタリアンの料理が何と食べ放題! それに

お酒類も飲み放題!!


腹一杯にイタリアンをいただき、皆、満足満足。

 






第218回 噺の会じゅげむ定期公演

 
高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.141
   
と き 平成24年4月15日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 


JR高槻駅と西武百貨店を結ぶ連絡橋です。

建設中の高層マンションが隣接しているので、

この連絡橋にも屋根が付いて、雨でも駅から

傘を差さずに会場の西武百貨店に入れるよう

になりました。


駅前ロータリーからのエレベーターもできまし

た。


こちらは会場の客席の設営風景。

.

今回は、六弦亭ざくろ(ろくげんてい・ざくろ)さ

んが、ご自分のお店でギターの演奏会などで

使用している無指向性のマイクをお持ちいただ

きました。


いつもは備え付けの指向性のマイクなので、

落語の上下(かみしも)を振る時などはどうし

ても音を拾いにくいという弱点がありました。


そして、私たちの仕事場である高座の仕上げ

作業です。


こちらは楽屋とビデオ撮影ブースの設営なの

ですが、現場監督の阿遊亭弘遊(あぁゆうてい

・こうゆう)さんがお休みなので、ああでもない

こうでもないと試行錯誤しています。


楽屋もようやく完成です。


出来上がった高座で新しいマイクのテスト中。

感度良好!!


会場全体を後ろから見たところ。


高座から客席を見るとこんな感じ。


お客さんに配布する当日のプログラムと次回の

チラシです。


受付のディスプレイも賑やかです。


今日の一番のお客さんはこの子!?


開場時間になると、待ちかねたお客さんが次々

とお越しになります。


前説は、この日出番がない潮吹亭くじら(しお

ふくてい・くじら)さん。


当日のプログラムに連載中のくじらさんのコラ

ムは、特集コーナーの「くじらのひとりごと」

掲載しています。

 


さて、第141回「駅前寄席」の開演です。


トップは、寿亭司之助(ことぶきてい・しのすけ)

さん。最近のマクラは「育児日記」です。子育て

奮闘中の司之助さん、今回はお風呂での出来

事で、娘さんが入浴中にウンチをもらした話で

した。ということで、ネタは「勘定板」です。


昔、日本海側の海沿いの田舎町では便所のこ

とを閑所(かんじょ)と言い、閑所板というの上

で用を足してナニを海に流していたそうです。

その田舎町の親子が大阪見物に来て、宿屋で

「閑所板はどこ?」と尋ねますと、これを勘定板

(そろばん)と聞き違えた番頭さんは・・・


高座と楽屋を仕切るのれん。


二番手は、南茶亭おすし(なんちゃってい・おす

し)さん。演目はネタおろしの「蒸発」です。

桂三枝師匠の創作落語ですね。そう言えば、

昔、蒸発した人をテレビで探すという番組が

流行っていました。そんな時代に出来た噺です。


蒸発と言っても多種多様な状況があり、かの

番組にはいろんな人がやってきます。行方不

明者を探したいということですが、勘違いやら

遺産相続のもつれやら番組の司会者も大変で

す。そして、次に登場する人物の捜索の相手

は何と家出したペットの犬!?


お茶子は、天乃小てる(あまの・こてる)さん。


三番手は、洋酒家巧駆(ようしゅや・こーく)さ

ん。ネタは十八番の「阿弥陀池」です。東京で

は「新聞記事」という演目で演られることもあり

ます。

このところ、仕事の方が忙しい巧駆さんは、

この日も遠路、姫路からの出演です。


噺の内容からも分かるように、日露戦争の後に

作られたものです。でも、上方落語らしいギャグ

が連発し、今でも多くの噺家さんが演じます。

新聞を読んでいないことで、まんまとウソにだま

された男が、どこかで仕返しをしてやろうとウソ

をつくのですがそれが大変な騒動に・・・


楽屋の風景(その壱)。


中トリは、全国の知名度ワーストワンと言われ

る島根県出身の三流亭志まね(さんりゅうてい

・しまね)さん。演目は江戸落語の「猫の災難」

です。上方落語も同じ内容ですが、サゲが違い

ます。かの古今亭志ん生師匠は、この噺を犬

に代えて「犬の御難」として演っておられました。


鯛の頭と尾をもらってきたが酒がない。訪ねて

きた兄貴分が鯛が1匹あるものと勘違いして酒

を持ってますが、今度は鯛の身は猫が食べた

とウソを言い、兄貴が他の魚を買いに行ってる

間にお酒を全部飲んでしまい、また猫の責任に

します。酒呑みの意地汚さがよく表れてますね。


楽屋の風景(その弐)。


おかげさまをもちまして、今回も入場者112名

の大入りとなりました。「駅前寄席」では75回

連続、定例会としては107回連続の大入り記

録の更新です。




             * 大入り = 100名以上の入場


仲入りの休憩。


これも当会の昔からの慣習で、お茶の紙コップ

にサインを入れて使います。


中入り後は、転勤先の東京から毎月参加して

いる悠々亭一光(ゆうゆうてい・いっこう)さん。

ネタは笑福亭仁智師匠の創作落語「めざせ甲

子園」です。言わずと知れた高校野球にまつわ

噺ですね。


なかなか甲子園に出場できないとある高等学

校(LP学園!?)。今年はすごい選手ばかり

で周囲からも期待されています。そのどこが

すごいのかを野球部の監督に尋ねてみると、

野球の技術ではなく、とんでもないことですごい

選手ばかりで、今年も1回戦敗退は確実!!


ディスプレイの屏風(といっても廃品のフスマを

貼り合わせただけですが・・・)


本日のトリは、文々亭小輔(ぶんぶんてい・こす

け)さん。演題は十八番の「くっしゃみ講釈」


す。「くしゃみ講釈」と表記する場合もあるよう

ですが、「くっしゃみ講釈」の方が上方らしくて

ネタの雰囲気が出てるように思います。


ある講釈師にひどい目に遭わされた喜六は、

何とか仕返しをしたいと清八に相談して、講釈

の最中に胡椒の粉を火にくすべて邪魔をする

ことにしますが、喜六がその胡椒の粉を買いに

行くだけでも大騒動になります。結局、胡椒は

売り切れで、唐辛子の粉で代用することに・・・。


その唐辛子を火鉢でくすべて講釈師のくしゃみ

を誘発し、まんまと講釈の邪魔をするという目的

を達成した喜六は、訳の分からない童歌? を

歌いながら意気揚々と引き上げます。これを不

審に思った講釈師は、「なんぞ私に故障でもお

ありか?」と尋ねます。すると・・・

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