過去の活動報告 No.73










第208回 噺の会じゅげむ定期公演

 
高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.136
   
と き 平成23年6月19日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 


東日本大震災の影響で、4月に開催予定だった

「駅前寄席」が中止になったため、1か月半ぶり

の開催となりました。

天気予報は雨。でも、何とか雨は降らずに曇の

状態でした。


高槻西武百貨店の1階入口付近。


6階レストラン街の「杵屋」さんの右隣が会場で

す。分かりやすいようにポップを標示していただ

いています。

.

高座の設営風景。これが、結構、力仕事の上、

細かい作業なんですね。


お客さんに配布するプログラムの準備中。


やっとのことで、会場設営を終え、客席で一服

するスタッフです。


完成した高座です。大きさも強度もバッチリ!


いつも使っている衝立の蝶つがいが壊れてしま

い、どうしようかと悩んでいたところ、今日のトリ

の一光さんのアイデアにより、ボードと互い違い

に固定すると、モダンな壁が出来上がりました。


その壁の向こうは、出演者及びスタッフの楽屋

になっています。


楽屋の中。


会の上納金を徴収している現場!? 



ではなく、毎月の会費と打ち上げ費用の徴収を

やってます。


配布物の準備も終わり、開場を待つスタッフた

ち。


受付のディスプレイです。


開演前の前説は、出番のない三流亭志まね

(さんりゅうてい・しまね)さんです。

トレードマークの島根県
シャツがいつもの色

と違います。(新調したそうです!)

   

でも、やはり、「鳥取の左側」なんですね (^^;)


その間も続々とお客さんが入場されます。


また、今回は久しぶりの開催ということもあり、

西武百貨店さんと6階レストラン街各店舗さん

のご協力で、割引のクーポン券をお客さんに

配らせていただきました。


思わぬプレゼントに今回のお客さんも大喜び。


というところで、第136回「駅前寄席」の開演で

す。この時点で、すでに、100名を超えてます。


トップは、前回の定例会(高槻市民寄席)でトリ

を務めた阿遊亭弘遊(あぁゆうてい・こうゆう)さ

ん。今回は前座として登場です。演目はネタお

ろしの「道灌(どうかん)」。
主人公の太田道灌

は室町時代の武将で、江戸城を築城したこと、

そして、山吹の伝説で有名ですね。


道灌がにわか雨に遭った際、農家で蓑(みの)

を借りようとしたところ、娘に蓑ではなく山吹の

花を差し出され腹を立てます。ところが、これは

古歌を引用して「家には蓑はありません」という

メッセージでした。後にそれに気付いた道灌は

古歌を知らなかった事を恥じ、歌道を学びます。


楽屋で出番を待つ巧駆さん(右)と出囃子係を

務めるくじらさん(左)。


二番手は、洋酒家巧駆(ようしゅや・こーく)さん

です。2009年の当会デビューの当時からイケ

メン担当(自称!?)がキャッチフレーズなので

すが、落語は本格派ともっぱらの評判です。こ

の日のネタは、江戸時代の名工・左甚五郎が

登場する「竹の水仙」。


長逗留の宿賃を請求された甚五郎は、宿賃の

かわりに竹製の水仙を作ります。この竹の水仙

が実に見事な出来映えで、宿の前を通りかかっ

た大名が目をつけて高値を付けます。実在の

人物かどうかはわからないそうですが、いろん

な落語や講談に登場しています。


出番の終わった楽屋の弘遊さん。着ていた着物

もその都度きちんとたたんでいます。几帳面さ

がうかがわれますね。

  


一方、出番が目前に迫り、大慌てで衣装を付け

る司之助さん(右)と中トリのくじらさん(左)。


今回のお茶子は、小てるさんがお休みのため、

昨年に小倉出張所から大阪本店に転勤? して

きた志熨家かりん(しのすや・かりん)です。


三番手は寿亭司之助(ことぶきてい・しのすけ)

さん。演目は、江戸時代の将軍お世継ぎ騒動

を題材にした「紀州」です。期せずして、この日

のプログラムは1席目から3席目まで歴史上の

偉人伝といった趣向になりました。


徳川幕府では初代の家康から15人の将軍が

誕生していますが、一番不幸な将軍と言われて

いるのが7代の家継公だと言われています。こ

の家継公は、3歳で将軍になり7歳で死去され

ました。その後の8代将軍の座を巡る御三家の

駆け引きが面白い落語です。


客席の後ろから高座を見守るスタッフたち。


楽屋で着替えを終え準備万端のくじらさん(左)

とお寿司さん(右)。


中トリは、潮吹亭くじらさん。演題は、ネタおろし

の「いとこい落語・花嫁の父」です。この落語は

夢路いとし喜味こいし師匠の漫才をくじらさんが

落語に仕立て上げたもので、これまでにも何本

か「いとこい落語」を口演されています。


いとこい師匠の漫才は、落語に直しても立派に

通用します。「花嫁の父」は、文字どおり娘を嫁

に出す父親の心境が表れています。でも、少し

ずれていて笑いを誘います。当日のプログラム

に連載中のくじらさんのコラムは、特集コーナー

「くじらのひとりごと」に掲載しています。


おかげさまをもちまして、1ヶ月半ぶりの「駅前

寄席」も入場者119名の大入りとなりました。

「駅前寄席」では連続68回、当会定例会では

連続97回の大入り記録の更新です。


中入り。


楽屋の給水コーナー。スタッフはそれぞれマイ

コップ(使い捨てですが)を置くのがルールです。


当会御用達? の「じゅげむトートバッグ」


中入り後は、南茶亭おすし(なんちゃってい・お

すし)さん。ネタは、当会ネタおろしの「持参金」

です。この日のおすしさんの高座には職場から

の応援団も来られていたようですね。


中入りをはさんで持参金を巡る噺になりました。

元は「逆様の葬礼」という落語の前半部分が

独立したものなのだそうです。借金を返すため

に持参金付きの臨月の女性をもらうことになっ

たのですが、その借金と持参金が微妙に絡まり

思いも寄らない事態になります。



出番前の一光さん。余裕のピースサイン!?



トリは、悠々亭一光(ゆうゆうてい・いっこう)さ

ん。演題は、「転宅」です。引っ越しということな

のですが、実は泥棒の噺なんです。


浄瑠璃の三味線弾きのいい女(2号さん?)の

家に泥棒が入ります。ところが、この女性は慌

てることもなく、「私も同商売」と泥棒とうまく話

を合わせ、「旦那と別れるので一緒に逃げよう」

と約束までしてしまいます。


一方、うまく話に乗せられた泥棒は、持っていた

財布まで巻き上げられてしまいます。それでも

気付かない泥棒が、翌日、のこのこと女の家に

行ってみると・・・。


女って、したたかで恐ろしい!?



トリの一席を無事終えて楽屋に戻る一光さん。


打ち上げは、近くの居酒屋さんで盛り上がり。


次回の当会の定例寄席は、7月17日(日)に

開催の第63回「高槻市民寄席」です。毎年恒

例のフラダンスもあります。節電・節電・節電の

世の中ですが、夏の昼下がりを、ハワイ気分で

暑さを笑い飛ばしたいと思います。ご来場を

お待ち申し上げております!!








第209回

噺の会じゅげむ定期公演 

 第63回 高槻市民寄席  

  
と  き  平成23年7月17日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール


共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


会場前の状況。

高槻市役所の北隣りの高槻市総合センターに

会場の高槻市立生涯学習センターがあります。

この日の天候は晴れ。気温も高いです。


客席の設営状況。

椅子の並べ方についても長年培ったノウハウが

あります。


高座の設営状況。

こちらは今でも毎回試行錯誤してます。


会場前のディスプレイの設営状況。

できるだけ目立つように・・・


スポットライトの設営状況。

微妙な角度の調整が必要です。でも、そのおか

げで、高座がずいぶんと引き立ちます。


お客さんに配布するプログラム等の準備状況。

通し番号を入れたり、複数の紙を組み合わせた

りと、結構、手間がかかります。


会場設営完成の状況。

見事な寄席会場のできあがりです。

                             


マイクテストの状況。

くじらさんが発声練習をかねてマイクテストを

やってます。


志まねさん熟睡の状況。

実は、志まねさんは愛宕山の登山から直接、会

場に駆けつけましたので、設営作業が終わった

とたんに客席で熟睡。山男の志まねさんもさす

がに疲れたようです。


進行表の確認の状況。

マイクテストを終えたくじらさんは、出囃子係も

やるので、この日の出演者の出囃子やサゲを

事前に確認します。


受付開始の状況。

開演の1時間前にはお客さんが来場されます。

早く入っていい席を取りたいという方もおられ

るようです。


記念撮影の状況。

毎年、ゲストで当会定例会に出演していただい

ている、講談の太閤堂新玄さん(右)と当会メン

バーの阿遊亭弘遊さん(左)と志熨家かりんさん

(中)のスリーショット。


受付大忙しの状況。

開演時間が迫ってくる頃には、続々とお客さん

が詰めかけ、受付は大忙しになります。


開演直前の楽屋の状況。

トップのくじらさん(右)と二番手の六弦亭ざくろ

さん(中)とお茶子の天乃小てるさん(左)です。


開演の状況。

この時点で、入場者は100名を超えています。

老若男女いろいろなお客さんがお越しです。

定番の「石段」の出囃子で寄席の雰囲気も盛り

上がります。


トップは、潮吹亭くじらさん。演目は「東の旅・煮

売屋」です。「東の旅」は、上方の古典落語の旅

ネタで、「伊勢参宮神乃賑(いせさんぐうかみの

にぎわい)」とも言われています。喜六・清八の

迷コンビが大阪を旅立って、伊勢参りをすると

いうオムニバス形式の長編落語です。


大阪離れて、はや玉造・・・。「東の旅」の始まり

は「発端」・「旅立ち」と呼ばれ、小拍子や張り扇

で見台を叩きながら賑やかに演じます。やがて、

二人連れは食事をするため、田舎の煮売屋(め

し屋)に入ります。でも、料理やお酒を注文する

段になると、店主と会話がかみ合いません。


楽屋と高座の仕切りです。


二番手は、六弦亭ざくろさんです。ネタは、「ろく

ろ首」。一般的には怪談なのですが、落語にな

るとドタバタ劇になってしまいます。

主人公の男が美人のお嫁さんをもらうことにな

り、お見合いで大騒ぎをした後、めでたく夫婦に

なります。でも、この女性は驚くべき体質で・・・


なんと、夜になると首が伸びるというのです。主

人公はそれを承知で嫁にもらったものの、いざと

なると、この男も恐怖心に駆られてしまいます。

新国劇出身の経歴を持つざくろさん、ろくろ首が

出現する場面では、情感たっぷりに芝居仕立て

の演出です。ハメも効果的でした。


出番直前に集中力を高める小輔さん(右)と、出

番が終わってハメと出囃子のタイミングの確認に

余念がないくじらさん(左)。



お越しいただいたお客さんから、初めて楽屋で

花束をもらい、満面の笑みのざくろさん。

本当に嬉しそうですね(^^)。


三番手は、文々亭小輔さんです。演目は「馬の

田楽」。タイトルの「田楽」とは豆腐を焼いて味噌

を付けた「味噌田楽」のことですね。わんぱく盛

りの子供たち(いわゆる悪ガキ)が、味噌樽を積

んで、店先につないである馬を見つけて、悪さを

します。


驚いた馬は、味噌樽を積んだままどこかへ走り

去ってしまいます。店から出てきた馬方は、馬が

行方不明になってしまったので、慌てて探しに

行きます。あちらで聞き、こちらで聞きしながら

追いかけるのですが、もう一息のところで、捕ま

えることができず、困りはてるのですが・・・。


お茶子さんは、天乃小てるさんです。


中トリは、洋酒家巧駆さん。演題は「悋気の独楽

(りんきのこま)」です。お手かけ(妾)さんにまつ

わる少し艶っぽい噺です。とある商家の御寮人

さん、旦那にお手かけさんがいることに気づき

悋気(ヤキモチを焼く)を起こします。そして、い

つも旦那の供をしている丁稚を問いつめます。


最初は、旦那をかばってしらを切っていた丁稚

の定吉ですが、御寮人さんの巧妙な作戦にひっ

かかってとうとう白状してしまいます。そして、旦

那がお手かけさんの家に泊まるかどうかを独楽

を使って決めることまで詳細に解説しますが、ま

すます御寮人さんの機嫌を損ねてしまいます。


おかげさまを持ちまして、今回も入場者162名

の大入り満員となりました。高槻市民寄席として

は、44回連続(定例会では98回連続)の大入り

記録の更新です。




              注 : 大入り=入場者100名以上


中入り休憩。


差し入れはレフアニコ・フラクラブさんからです。

美味しゅうございました。

ごちそうさまです・・・スタッフ一同(^人^)



中入り後は、寿亭司之助さん。ネタは「茗荷宿

(みょうがやど)」です。あまり演られることのな

い珍品扱いの落語かも知れません。噺の基本

は、「茗荷を食べると物忘れをする」という諺?

がテーマになっています。この諺もお釈迦さん

の時代にさかのぼります。


昔は繁昌していた、庭に茗荷が生えている宿屋

の茗荷屋。娘婿の代になると全く流行らなくなり

ます。そんな中、百両の金を持った金飛脚が宿

に泊まります。宿屋の夫婦は何とかこのお金を

忘れさせようと、庭の茗荷を使って茗荷ずくめ

の料理を客に食べさせますが・・・


今、流行りのアヒルぐちのつもり(?!)

残念ながらへの字口です・・・。


毎年の夏のお楽しみ、レフアニコ・フラクラブさ

んによるフラダンスです。出演していただくよう

になって今年で7年目になります。

1曲目は、「アヒヴェラ」。


2曲目は、「エクーツツー」。

おばあさんと孫娘がテーマのほのぼのとした

ダンスでした。


3曲目は、「ワヒネイリケア」。


4曲目の準備ができるまでの間、フラダンスの

リーダーの花の家夢々(はなのやむーむー)さ

んが小咄で客席を盛り上げます。実は、夢々さ

んは、素人落語家でもあります。


4曲目は、恒例の「憧れのハワイ航路」。


年に一度のフラダンスにスタッフも興味津々。

ハワイアンは曲といい、雰囲気といい、蒸し暑い

日でしたが爽やかな風を運びます。

「憧れのハワイ航路」では、客席から曲に合わ

せて歌声も聞こえてきました。


今回の大トリは、三流亭志まねさん。演題は江

戸落語の「酢豆腐(すどうふ)」です。上方落語

では「ちりとてちん」になりますが、噺のおもむき

はずいぶんと違います。この落語の原話は、か

なり古く、宝暦13年(1763年)の「軽口太平楽」

に掲載されています。


前半は、上方落語の「寄合酒」を彷彿とさせま

す。若い連中が酒を飲もうと集まったのですが、

酒の肴に苦労します。そうこうするうちに、昨晩

買った豆腐を思い出し、それを取り出してみる

と、暑さのために腐ってしまい、カビが生えてま

ました。


そこで思いついたのが、この腐った豆腐の活用

法です。皆からキザで嫌がられている若旦那に

ギャフンと言わせてやろうということで、若旦那

を食通だとおだてあげ、この豆腐を珍味と騙し

て食べさせます。ところが、若旦那も筋金入りの

キザです。なかなか負けてはいません。


お客さんをお見送りです。

今回の市民寄席はいつもより長い時間でした

が、最後までよくお付き合いいただきました。


「阿國」で打ち上げ。

随分日が長くなってカーテンがかかってますが、

ここから見える夕方の景色もなかなかです。


さすが年の功。

話のネタが次々に替わり、相づちすら追いつけ

ませんでしたが、何事にも興味をもつその姿勢

にメンバー一同感動しました。

若さの秘訣はきっとそこにあるんでしょうね。


いつもながら、寄席の打ち上げは大いに盛り上

がりますね。


〆は半田素麺。

美味しかった〜。

お腹いっぱい食べたのに、話をするうち、また

食欲が・・・。ついつい、おかわりをお願いし、

お店の素麺をすべて完食。

女将さんありがとうございました。









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