過去の活動報告 No.66


第194回 噺の会じゅげむ定期公演 

 第55回 高槻市民寄席   


と  き  平成22年3月21日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール

共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


高槻市役所の隣で、もうお馴染みになっている

会場生涯学習センターです。


今回は、九州は福岡で活躍されている当会の

小倉出張所の面々が応援に駆けつけてください

ました。左から志熨家(しのすや)かりんさん、

山椒家小粒さん、一人(当会の弘遊さん)おいて

みちのく小雪さんです。


メンバー全員で、会場を設営しています。会場

そのものが広いので、舞台を組んだり、椅子や

机を運んだりと、結構、体力を使いますね。


高槻市民寄席の高座、完成です。


今回も京都の楽笑会の錦松楼(きんしょうろう)

さだ吉さんに前説をやっていただきました。

持ち前の観客参加型の進行で、会場が大いに

盛り上がりました。

恒例の京都・大阪交流落語会は、5月16日の

高槻市民寄席で開催です。


受付風景。


さて、開演時間になりました。この時点で、100

名を越える方にご来場いただいています。


トップは先月の定例会(駅前寄席)で大トリを

務めた潮吹亭くじら(しおふくてい・くじら)さん

です。

ネタは、「世帯念仏(しょたいねんぶつ)」でした。

昔の一般的な家庭のごくありふれた日常生活を

描写した落語と言えるかも知れません。


最初から最後まで念仏を唱え続けるという異色

の噺ですが、その合間のセリフに親子や夫婦の

情が感じ取れます。

念仏といっても、信心はほとんど無く単なる習慣

になっています。


楽屋までも明るく盛り上げる小倉の小粒さんと

かりんさんです。


二番手は、三流亭志まねさん。演目は、季節ネ

タの「長屋の花見」です。貧乏な長屋の連中が、

大家さんの肝いりで花見に出かけます。ところ

が、料理やお酒が調達できないので、皆、工夫

をこらします。


昔は、娯楽といったものが、あまり無かったの

で、花見という行事は、金持ちから庶民までが

楽しめる娯楽だったようです。長屋の住人も、

貧乏ながらも底抜けに明るい、たくましさすら

感じられますね。


今回は、天乃小てるさんがお休みだったので、

急きょ、小倉のかりんさんにお茶子さんを努めて

いただきました。小倉の寄席でもやっておられる

ので、手慣れたものです。


三番手は、悠々亭一光(ゆうゆうてい・いっこう)

さん。ネタは、「癪の合薬(しゃくのあいぐすり)」

です。「癪」とは、胃けいれんや胸やお腹のさし

込むような痛みの昔の呼び名です。主に女性の

病ということになっています。


「癪」にはいろんな薬があったようですが、この

噺に登場する御寮人さんの「癪」の特効薬は、

何と「やかん」をなめることなんです。ところが、

外出中に急に「癪」に見舞われ、お供も大慌て

で「やかん」を探します。そして見つけたのは…


楽屋では賑やかだった小粒さんですが、出番の

直前は何やら神妙に・・・。


というところで、今回のサプライズゲストとなった

小倉の山椒家小粒さんです。前日からフェリー

のイベントで神戸入りされました。演目は、いつ

もの落語ではなく、「紙切り」をご披露いただきま

した。


序盤は、金メダルや日の丸といった単純な紙

切りで、お客さんに「おいおい」と思わせておい

て、その後は、見事な「宝船」や志まねさんの

今日の演目の「長屋の花見」をさりげなく切って

客席を驚かせました。


紙切りだけではなく、巧みな話芸で、たっぷり

と楽しませていただきました。本当に芸達者な

お方です。



中トリは、文々亭小輔(ぶんぶんてい・こすけ)

さん。演題は、「天災」の一席です。乱暴者の男

が、人の薦めで、「心学」の先生のところへ行き

悟りを会得? するという落語です。


そんな簡単に悟りを開ける訳がないのですが、

どういう訳か、この男、するすると心学の教えを

受け入れてしまいます。そして、さっそく、その

教えを実践に移しますが・・・。考えようによって

は、人生訓にも成りうるテーマですな。


中入り=休憩


小倉の方々からお土産をいただきました。

右は、言わずと知れた森鴎外ゆかりの銘菓の

「小倉日記」。左は、門司港限定の新製品? 

「そのままバナナ」というお菓子でした。さて、

その正体は・・・。

  
※ ブログ「司之助の木戸御免」をご覧ください!!


こちらは、奈良在住のさだ吉さんからの差し入れ

の「大仏せんべい」です。一時期は平安遷都祭

のキャラクターとして争っていた「せんとくん」と

「まんとくん」が仲良く表示されてます。「せんと・

まんと」って漫才コンビみたいですね。


中入り後は、洋酒家巧駆(ようしゅや・こーく)さ

んです。ネタは、「堀川」でした。酒飲みの息子が

毎晩のように酔っぱらって帰ってきては、親を泣

かせます。その前の家の息子は、酒を飲まない

かわりに、けんか好きなうえ、朝寝坊でこれも親

を泣かせています。

 


何か親不孝物語のような展開ですが、そんな中

でも、親の子に対する愛情がそこここに酌み取

れる噺になっています。朝になかなか起きてこな

い息子を何とか起こそうと、ウソの火事騒ぎを企

てますが、これが大騒ぎになってしまいます。


高槻市民寄席でいつも使っている拍子木。

材質は、花梨(カリン)の木です。そういえば、

今日のお茶子さんも「かりん」さんで・・・。

関係ない!? 失礼いたしましたっ!!!
 


トリは阿遊亭弘遊(あぁゆうてい・こうゆう)さん。

演題は、「代書屋」の一席です。


お客さんも多くの方々が最後まで楽しんでいた

だき、入場者数は、179名の大入り満員となり

ました。毎度、ご贔屓いただきまことに有り難う

ございます。


「代書屋」は、実際にこの職業をやっていた先代

の桂米団治師匠(人間国宝の米朝師匠の師匠)

が創作した落語です。今の職業で言えば、司法

書士や行政書士といったところなのでしょうが、

昔は、字を読み書きできない人が今より多く、

結構、繁昌していたようです。


履歴書を書いてもらうために、代書屋へ来た

男のトンチンカンな対応が客席を爆笑の渦に

巻き込みます。


帰りのフェリーの出港時間が迫ってきたので、

終演前に会場を後にする小倉出張所の面々。

本当に、明るく盛り上げていただきました。

お疲れさます!!


打ち上げは、久しぶりに会場近くの「阿國」さん

で開催しました。この日の料理は「豚シャブ」。


ボリュームたっぷりの美味しい肴で、お酒も進み

ます。一同大満足でした。


この宴のプロデュースは、当会の生みの親でも

ある元・みゅ〜じあむ館長の成岡さんです(左)。

宴も今までになく盛り上がり、カラオケパーティ

に移行してからも延々と続きました。いや実に

楽しい打ち上げでした。


(*^o^)乂(^-^*)


次回の定例会は、4月18日(日)に西武百貨店

で開催の第130回「駅前寄席」です。当会岡山

支店からお囃子の社中とゲストをお招きして、

盛大に催します。よろしくお願いします。







第195回 噺の会じゅげむ定期公演

 高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.130

   
と き 平成22年4月18日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 


JR高槻駅の向こう(北)側が西武百貨店(高槻

オーロラシティ)です。


会場設営も終え、立派な高座が出来上がって

います。


今回は、当会の岡山支店から社中(お囃子)で

吉備家めじろ(きびのや・めじろ:右)さんと

備前家十七吉(びぜんや・となきち:左)さんに

お越しいただきました。セッティングを終え、

音合わせの真っ最中です。

.

会場の受付も準備万端のようですが・・・、皆は

何処へ?


メンバーは、ひと仕事を終えて昼食中でした。


受付開始。岡山支店の方も参加していただき

賑やかにお客さんの受け入れをいています。


前説は、寿亭司之助(ことぶきてい・しのすけ)

さんです。


せっかくですので、岡山支店社中の皆さんに、

お客さんの前で出囃子を2曲演奏していただき

ました。


さて、開演時間になりました。まずは、寄席に

おけるトップの出演者の定番の出囃子「石段」

です。潮吹亭くじら(しおふくてい・くじら)さんも

臨時の社中参加で「当たり鉦(がね)=すり鉦」

をたたいています。


会場は、すでに、ほぼ満席になっています。


トップは、阿遊亭弘遊(あぁゆうてい・こうゆう)さ

ん。ネタは、「いかけや」です。漢字で書くと「鋳

掛屋」となります。鍋や釜を修理する職人さんの

ことです。マクラで弘遊さん曰く、「最近、いかけ

やを知らない人が増えてますが、今日のお客さ

んは皆、ご存じのようで・・・」


町中でふいごを使って火をおこしながら仕事を

しているいかけやさんを、近所のわんぱく坊主

たちが、寄ってたかってなぶって遊んでいます。

無邪気な子供たちと困りはてるいかけやさんの

対比が実に面白い落語になっていました。


楽屋では、次の出囃子「鍛冶屋(かじや)」の演

奏に入っています。高座を下りてきた弘遊さん

が、次の出番の小輔さんに何事かささやいて

います。


二番手は、文々亭小輔(ぶんぶんてい・こすけ)

さん。演目は、「看板の一(ぴん)」で、バクチの

噺です。小輔さんのマクラ・・・「男の道楽は、呑

む・打つ・買うですが、私の道楽は、月に1回、

皆さんの前で落語をして、笑っていただいて、

気持ちよく打ち上げに参加することです・・・」


サイコロ賭博をやっている若者たちが、元・バク

チ打ちの隠居をカモにしようと引き込みますが、

散々な目にあってしまいます。その若者の一人

が隠居の手口をまねてひと儲けしようと企みま

すが、そっくりそのままやったつもりが、大変な

ことに・・・。


高座を終え、楽屋に戻る小輔さん。出囃子は次

の演者の「大阪音頭」を演奏中です。


高座の見台の準備をし、名ビラを返すお茶子さ

んを務めるのは、天乃小てる(あまの・こてる)さ

んです。


三番手は、悠々亭一光(ゆうゆうてい・いっこう)

さん。ネタは、「トクさんトメさん」です。一光さん

のマクラ・・・「同じ物を食べて、同じように落語

を聴いていても、女性の方が長生きをします。

女性は何でも前向きに生きてますから・・・」


この落語は、笑福亭仁智さんの創作落語です。

とある老人病院でのおばあさんの物語になって

います。年をとってもいたって元気なおばあさん

たちが面会に来る子供夫婦をおちょくっては、

楽しんでいます。


楽屋では、お囃子の社中もひと休み。次の出番

の凡々さんとともに一光さんの落語を楽しんで

おられました。


「一丁入り(いっちょういり)」の出囃子で悠然と

高座に上がって来られたのは、当会岡山支店

の笑皆亭凡々(しょうかいてい・ぼんぼん)さん。

演題は、「七度狐」です。当会大阪本店の寄席

では、初公開の落語になります。凡々さん曰く、

「バックが白いので顔が黒く見えます・・・」


噺の中にハメ(お囃子)がふんだんに入ります

ので、生の下座がないとなかなかできません。

一度悪さをされると七度仕返しをするという狐

に、散々な目にあわされる旅人(喜六と清八)

の滑稽さが楽しい落語でした。


今回もおかげさまを持ちまして、入場者136名

の大入満員となりました。この「駅前寄席」では、

平成12年10月以降連続62回、定例会では、

連続84回の大入り記録の更新です。


中入り(休憩)中・・・。


「砂ほり」の出囃子で登場の潮吹亭くじらさん、

ネタは、「ジンギスカン」です。これは、漫才の

いとしこいし師匠の作品をくじらさんが落語に

アレンジしたものです。くじらさんのマクラ・・・

「いとこい師匠の漫才は、端正でムダが無く、

ネタの運びが本当に落語に近いんです・・・」


噺の内容は、単純にジンギスカン鍋の作り方

を述べるだけなんですが、会話が絶妙に食い

違って爆笑ものの落語になっていました。


プログラムに連載中のくじらさんのコラムは、

特集コーナーの「くじらのひとりごと」に掲載し

ています。

 


高座を下りたくじらさんは、そのまま次の出囃子

「じんじろ」の演奏のお手伝いです。


今回のトリを務めるのは、寿亭司之助さん、演

題は、「鷺とり(さぎとり)」の一席です。司之助

さんのマクラ・・・「トリは、大相撲で言えば横綱

で、心技体がそろっていなければならない。でも

当会のトリは、町内会のゴミ当番と同じで順番

に回ってくる面倒なもので・・・」


一羽でも値の張る鷺を捕まえて金もうけをしよう

とした男が欲張りすぎて、捕まえた鷺の逆襲に

あい、空を飛ばされてしまいます。やがて、この

男が到達した所は飛んでもない場所でした。


それは何と天王寺の五重塔のてっぺんの九輪

でした。見物人がドンドンと増えていく中、お寺

ではこの男の救出作戦が繰り広げられます。

要所要所でハメの入る楽しい落語になっていま

す。

  ※ 噺の実験室の「鷺とり」編もあわせてご覧ください。


打ち上げは、会場のある西武百貨店のレストラ

ン「カーサ・グランデ」で行いました。


今回、わざわざ岡山からご来阪いただき、落語

とお囃子をご披露いただいた岡山支店の方々

です。お囃子が入るだけで、寄席らしさが実に

よく引き立ちました。また、機会があれば、ご協

力いただきたいものです。どうも有り難うござい

ました。


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