過去の活動報告 No.57








第176回 噺の会じゅげむ定期公演 

 第46回 高槻市民寄席   

と  き  平成20年9月21日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール

共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


会場の高槻市立生涯学習センターです。この日

は、午前中に大雨が降って昼には一旦あがりま

した。でも、雲行きは怪しくなっています。興行も

のは天気に大きく左右されますので、スタッフと

しては非常に不安な心持ちです。


そんな中、今回、出番のない潮吹亭くじらさんが

前説で開演前の客席を温めます。また、前々日

にラジオ大阪で当会が紹介された録音を開演待

ちのお客さんに聴いていただきました。


ラジオ収録の模様 → OBC 「ほんまもん!原田年晴です」


時間が経つにつれて、空模様は悪化の一途を

たどっています。お客さんの出足はいつもより

ちょっと悪いようですが、それでも、うちの会場

めざして続々と詰めかけていただきました。


いよいよ開演時間です。外では雨が降り始めて

いますが、この時点で既に100名を超えるお客

さんにご来場いただいています。


トップバッターは、阿遊亭弘遊(あぁゆうてい・

こうゆう)さんです。OBCのラジオ放送の中でも

インタビュアーの漫才コンビ「女と男」さんたちに

芸名が滅茶苦茶に
受けていました。

ネタは「平の陰」です。ときに「手紙無筆」という

演目でも演じられます。


文字の読み書きができない「無筆」、いわゆる

「文盲」がテーマ。昔の日本も「識字率」は低く、

手紙等を字の読める人に読んでもらったり代筆

してもらうのは当たり前。ところが、字が読めな

いのに知ったかぶりをする人にかかると、とん

でもないことになります。


二番手は、浪華家久句(なにわや・くっく)さん。

芸名がクックというだけに、料理が趣味らしいで

す。家庭での料理も一手に引き受けるほどの

腕前とのことですので、一度ご相伴に与りたい

ものですね。演目は「源太と兄貴」です。


「源太と兄貴」は、笑福亭仁智さんの創作落語

です。壊滅寸前のヤクザのちょっと間の抜けた

源太とツキに見放された兄貴分のちぐはぐな

会話が楽しい落語になってます。何とか儲けよ

うと努力しますが、頑張れば頑張るほど泥沼に

はまっていきます。


三番手の演者は、三流亭志まね(さんりゅうてい

・しまね)さん。島根県の出身なので「しまね」と

非常に分かりやすい芸名です。家号の「三流亭」

は大学の落研での名残やそうです。ネタは江戸

落語の中でも全国的に知名度の高い噺「目黒の

さんま」です。


世間知らずの殿様と主君思いの家来が織りな

す江戸らしい落語。城外で食べた「焼きさんま」

の味が忘れられない殿様。お城でも「さんまが

食べたい!」と所望するのだが、下品な料理は

出せないと家来達は色々と手を加えて、とんで

もない「さんま」を膳に出してします。


中トリは、喜怒家哀楽(きどや・あいらく)さん。

学校の先生なので、担任していたクラスの学級

通信「喜怒哀楽」が芸名の由来やそうです。落

語も人生の喜怒哀楽の縮図かもしれませんね。

この日の哀楽さんの演題は「八五郎坊主」です。


「つまらん奴は坊主になれ」と言われて、ニート?

の八五郎は突然に出家することになります。

法名は「法春(ほうしゅん)」。修行も何もせずに

いきなり坊さんになった八五郎は僧侶らしからぬ

とんでもない行動ばかり。でも、本人はまったく

気にしない・・・


楽屋から見た高座風景。

当日のプログラムに連載中の哀楽さんのコラム

は、「特集コーナー」の「人生!喜怒哀楽!!」

に掲載しています。


公演の最中も土砂降りの大雨になりましたが、

それでも、おかげさまで、入場者174名の大入

り満員でした。あまりの有り難さに、スタッフ一同

も感謝感激雨あられの心持ちでございます。


中入り休憩後は、文々亭小輔(ぶんぶんてい・

こすけ)さん。小輔さんは落語の他に、バイクの

ツーリングが趣味なので、バイクの擬音から「ブ

ンブン」が家号になりました。演目は「がまの油」

です。大道芸のひとつ、がまの油売りを描写した

落語です。今で言うところの実演販売ですね。


大刀を腰に差した一見浪人風の男、自分の腕を

刀で少し切って血を流し、傷薬の「がまの油」を

売る商売なのですが、お酒を飲み過ぎて商売を

始めたため、口上とかのパフォーマンスがボロ

ボロになってしまいます。立て板に水だった口上

が怪しくなってくるところが聴き物でした。


今回は特別に、哀楽さんが懇意にしている、今

評判の噺家・桂吉弥さん(NHK朝ドラ「ちりとて

ちん」の草原役)からもらった直筆サイン色紙と

ラジオ番組のストラップとステッカーをプレゼント

させていただきました。


当日に配布しているプログラムに整理番号が

入っています。今回は、21日なので、21番の

方にストラップとステッカーのセット。第46回の

高槻市民寄席なので、46番の方にサイン入り

色紙をプレゼント。


さて、本日のトリは、寿亭司之助(ことぶきてい・

しのすけ)さん。家号は、当会の前身が「ことぶ

き会」だったので、自動的に「寿亭」でした。

芸名は、本名の「司」から来ています。この日の

演題は、「鹿政談」の一席。お奉行さんのお裁き

ものです。


古来、奈良の鹿は、春日大社のお使いとされ、

「神鹿(しんろく)」と呼ばれて保護されており、

昔は、鹿を殺しでもしたら死罪に処せられまし

た。鹿を誤って殺害した三作という少年のお墓

が実際に奈良公園の一角に残っています。

       【特集「風流落語旅」の「奈良編」を参照】


そんな時代に、奈良三条横町で豆腐屋を営む

六兵衛さんが、誤って鹿を殺害してしまい裁判

にかけられてしまいます。規則どおりに厳罰を

主張する役人(鹿の守役・塚原出雲)と何とか

助けてやろうとする奉行(曲淵甲斐守)との対決

が見ものの落語でした。





第177回 噺の会じゅげむ定期公演

 高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.121

   
と  き 平成20年10月12日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 


「駅前寄席」の受付のレイアウトです。


うちの会のシンボルの大提灯。


会場設営作業を終え、この日の段取りの確認

と次回(12月)、次々回(来年1月)の定例会の

企画会議の最中です。


会議の後は、お客さんにお配りするプログラム

やチラシの準備に大わらわです。

左からスタッフの悠々亭一光さん、めぞんさん、

小輔さんです。


開場直後の受付です。

実は、この日の日程が当初の予定から変更に

なったため、お客さんが開催日を間違えはしな

いかと少々心配でしたが、いつもどおり続々と

ご来場いただきました。


開演前のひとときは、飛び入り出演とは言え、

常連の島ぼん太さんの漫談でお楽しみいただ

いています。小咄や怪しい外国語で会場全体の

雰囲気を盛り上げていただきました。


開演直前の楽屋風景です。

結構、緊張感がただよっていますね。


この日は、中入り後に「三題噺」を企画していま

す。お客さんからお題を頂戴し、即興で落語を

創るというものです。今回、三題噺に挑戦するの

は、文々亭小輔さんと喜怒家哀楽さんです。

左は、お題頂戴の司会役を務める潮吹亭くじら

さんです。


いくつかお題をいただいた中からお客さんの

拍手で、「株価暴落」「タイガース」「年金」

三題に決定! さて、どのような落語が出来上

がりますか、大変に楽しみです。

(本人たちは難行苦行でしょうが…)。


一段落した受付。右は島根県PRのTシャツを

着る三流亭志まねさん。左はじゅげむKOBE

の風流亭半丸さんです。


というところで、開演です。

もうすでに、客席は満員に近い状態になって

います。


この日のトップでの登場は、寿亭司之助さん。

ネタは「茗荷(みょうが)宿」です。「三題噺」の

所要時間が未定なので、時間短縮の必要があ

り、マクラをすっ飛ばして、いきなりネタに入り

ました。


「茗荷を食べると物忘れをする」という言い伝え

がテーマ。流行らない宿屋の夫婦が一計を案じ、

泊客の金飛脚に大量の茗荷を食べさせて、

所持する百両を何とか置き忘れさせようとする

のですが・・・


今回、お茶子の天乃小てるさんがお休みなの

で、年令的には最年長ながらも若手?(入会の

順番が一番後なので…)の浪華家久句さんが

高座係を務めました。


二番手は、ゲスト出演の正直亭黄門さん。老人

大学等で落語を学んでおられ、容貌も見るから

に天下の副将軍といった感じですね。

演目は「犬の目」です。


目玉を取り外して、洗浄し、元に戻すという怪し

げ(というより画期的?)な治療方法の眼科の

医者さん。庭先で乾かしていた目玉を犬に食べ

られてしまい大騒ぎになります。

ちょっと「SF」的な落語でした。


なぜか、楽屋にロングヘアーでチャイナドレスの

美女が!?

この秘密はこの後に判明します・・・


三番手は、花乃家めぞんさん。

楽屋の美女の正体です。この日のめぞんさんの

演目は「ニイハオ漫談」ということでしたので、

この扮装になったそうです。

(衣装とカツラは西武百貨店で購入!!)


中華風のドラの音で登場しためぞんさんに、

お客さんも大喜び。お得意のお絵描き漫談の

始まりです。今回は、怪しげな中国語を操りな

がらのパフォーマンスでした。それでも、いつも

の政治ネタ、動物ネタは健在です。


「三題噺」担当の小輔さんと哀楽さんは、会場

の隣の調理室兼倉庫に籠もって、ネタ作りに

懸命です。試験直前の受験生みたいでした。


中トリは、潮吹亭くじらさんです。番組最初の

「三題噺」お題頂戴での引き回し役から楽屋

での出囃子係まで務める忙しい身の上でした。

今日の演題は「米揚(あ)げいかき」の一席。

「米揚げ」とは、米をといで水切りすることで、

「いかき」とは、「ザル」のことです。


「いかき」を行商して歩くという噺なのですが、根

がいい加減な男なのでなかなか売れません。

ところが、堂島の米相場師の主人に「米をあげ

る」という売り言葉を気に入られて、商売がとん

とん拍子に進んで行きます。


この日も161名の大入満員となりました。

毎度、ありがとうございます。

「駅前寄席」では、平成12年10月以降、8年間

にわたり、55回連続の大入(100人以上)記録

の更新です。


いつも楽屋に貼っている寄席の進行表です。

出番の他に、演目、サゲ、見台使用の有無、

出演予定時間などが書き込まれています。

いつも時間が押し気味になるので、予定どおり

には進みませんが、この日は珍しく早く進行して

いました。


中入り後は、いよいよ「三題噺」のご披露になり

ます。先行は、ジャンケンで勝った文々亭小輔

さん。初めての「三題噺」への挑戦です。

ほとんど関連性のない三つのお題をどのように

料理するのでしょうか。


小輔さんの考えたシチュエーションは、商売の

根問風の噺です。転職した先が落語の「見台」と

「ひざかくし」を作る工房ということで、小道具の

見台なんかを上手く活用してました。サゲは、

「年金」にからめたもので、なかなかコンパクト

にまとまった面白い落語でした。


無事に一席を終えてホッとしている小輔さんと

これから高座に上がる緊張気味の哀楽さんの

表情の違いに「三題噺」の難しさが垣間見えま

すね。


後攻は、喜怒家哀楽さん。「三題噺」は、今回で

2回目の挑戦となります。後で演る方は、時間的

な余裕はありますが、先に演る人とネタがかぶ

る場合もあるので、順番を選ぶのは微妙な問題

でもあります。


哀楽さんが選んだシチュエーションは、旅もの

です。日本中の温泉地が出てくる楽しい落語で

した。その上、この三題に選ばれなかったお題

の「老犬の散歩」や「まつたけ」などのお題も

盛り込まれており、お客さんは大喜び。サゲは

「タイガース」にかけたものでした。


この日の写真撮影の担当は、裏方・真琴家笑吉

さん(右)です。

左は今回は出番が無く、受付の仕事の整理を

している阿遊亭弘遊さん。


「三題噺」も無事に終了した後は、本日のトリの

洋酒家巧駆さんの登場です。

演題は十八番の「近日(きんじつ)息子」の一席

でした。


「近日息子」の「近日」とは「近いうちに」という

意味で、お芝居や映画の宣伝やポスターなん

かで、「近日来演」とか「近日上映」という風に

使われます。


ちょっと間の抜けた息子が、この「近日」の意味

を取り違え、父親から「先繰りを利かせなさい」

と注意されたことから、今度は、先の先まで読み

過ぎて大騒ぎになります。いかにも落語らしい

展開の噺になっています。


この日の寄席の進行も終盤になり、客席の一番

後ろでトリの一席を鑑賞するスタッフとキャストの

面々です。


当日のプログラムに連載のくじらさんのコラム

は、特集の「くじらのひとりごと」のNo.93に掲載

しています。


近所の居酒屋での恒例の打ち上げ風景です。

「寄席の後のビールの味は最高やね!!」

というのは、故・仁六家拾八さんの口癖でした。

今回の宴会を盛り上げるのは、じゅげむKOBE

の竹馬亭志ん友さん(右から2人目)です。

 
 来月の定例会は、11月16日(日)生涯学習センターでの第47回「高槻市民寄席」です。

 ゲストに、全日本社会人落語選手権大会3連覇の竜宮亭無眠さんをお招きします。

 詳細は「お知らせ」コーナーをご覧ください。



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