過去の活動報告 No.56










第174回 噺の会じゅげむ定期公演 

 第45回 高槻市民寄席   


と  き  平成20年7月20日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール

共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


うちの寄席では、出演する人も出演しない人も

総出で会場設営をやります。それでも、年々規

模が大きくなってきているので、どうしても人手

不足になっています。落語好きで、寄席のお手

伝いをしていただけるスタッフ募集中です!!


今回は、毎年恒例のフラダンスがあります。

会場前に置く、客寄せのためのホワイトボードの

イラストは、当会、花乃家めぞん画伯? 得意の

猫のフラダンスでした。


そして、今回のもう一つの目玉は、生のお囃子

です。当会岡山支店からわざわざお越しいただ

きました。三味線は備前家十七吉さん、太鼓は

吉備家めじろさん。当たり鉦(がね)は大阪本店

の潮吹亭くじらさんによる混成の社中です。


開演前の前説は、この日は落語の出番の無い

寿亭司之助さんが担当しました。


その間もお客さんが、ドンドンとお越しになられ

ます。おかげで、受付も大忙し・・・。


というところで、第45回「高槻市民寄席」の開演

です。客席は満席になりつつあります。


今回のトップは、文々亭小輔さん。ネタは博奕の

噺の「看板の一(ピン)」です。サイコロ賭博は昔

の大人の遊びで、その中でも庶民になじみが深

く、サイコロ1個の簡単な「チョボいち」の賭場が

舞台です。


賭場で、若者が年寄りから金を巻き上げようと

しますが、その人は名の知れた博打打ちで、

すごいテクニックで逆に散々な目にあいます。

それを見た若者がそのテクニックをマネしようと

して大失敗してしまいます。


楽屋から見た高座です。生の出囃子で、気持ち

よく高座に上がれました。


二番手は、喜怒家哀楽さん。演目は「持参金」

です。仕事もせずにゴロゴロしている男の所へ、

急に、借金の取り立てが来ます。

それが義理のある人なので、すぐに返す約束を

しますが、金策のアテもありません。


仕方がないので、また、ゴロゴロしてると、今度

は持参金付きで嫁が来てくれる話が舞い込み、

借金返済のために、その縁談を承諾しますが、

これが思わぬ展開に・・・。世間というのは狭い

もの、また、お金の不思議さを教えてくれます。


お茶子さんの天乃小てるさんです。


三番手は、花乃家めぞんさん。ネタは「平林」で

す。識字率(字を読める人の率)が大変低かった

時代の噺で、商家の丁稚さんが、お得意先の

「平林(ひらばやし)」さんに手紙を届けるよう

仰せつかります。


手紙を持って店を飛び出した丁稚さんは、すぐ

に行き先を忘れてしまいます。道行く人々に

手紙の宛先を読んでもらうのですが、皆、字が

読めないのに、しったかぶりして答えるので、

いろいろな名前に化けてしまいます。


控え室(資材倉庫ですが)で、出番が近くなって、

大急ぎで着物に着替える潮吹亭くじらさん(左)と

洋酒家巧駆さん(右)です。彼らくらいのベテラン

になると、着替えも数分で終わってしまいます。


この日の中トリは、岡山支店の笑皆亭凡々さん。

演題は「壷算」の一席。昔は、水道がないので、

炊事などに必要な水は水壷に入れて保管して

ました。それが割れたので、瀬戸物屋に新しい

水壷を買いに行きます。


知恵のよく働く友人に買い物の交渉してもらい、

店の者を煙に巻いて大きい壷を安く買おうとしま

す。考えようによっては詐欺ですが、落語を聴い

ている人も、一瞬、納得してしまうような見事な

手口かも知れません。


途中でマイクトラブルなんかもありましたが、

無事に一席を演じ終え、高座から下りてくる

凡々さんです。


今回も予想を上回る242名のお客様にご来場

いただきました。今年に入って「高槻市民寄席」

は、毎回、二百名を超えています。配付するプ

ログラムの数が足りなくなり、急きょ、追加印刷

していただきました。


差し入れのお菓子も豪華絢爛です・・・。

プログラムに好評連載中の哀楽さんのコラムは


特集コーナーの
「人生!喜怒哀楽!!」に掲載

しています。


中入り後は、洋酒家巧駆さん。ネタは「延陽伯」

です。東京では「垂乳根(たらちね)」という演題

で演じられます。巧駆さんは、昨秋からしばらく

高座をお休みしてましたが、今回から復帰する

ことになりました。


ヤモメ(独身男)が嫁さんをもらうという、おめで

たい噺です。しかし、その嫁さんが、お公家さん

に奉公していたので言葉が滅茶苦茶に難しい。

また、名前を聞いたところ、とんでもない聞き間

違いをしてしまい大騒ぎになります。


そして、毎年恒例(今年で4回目)のレフアニコ・

フラクラブさんによるフラダンスです。

まずは、リーダーの片倉さんから曲名の紹介。


いつもながら、華やかなフラダンスで会場も常夏

ハワイの雰囲気です。今回の曲目は、「バリバリ

の浜辺」・「カロケ」・「ハナレイムーン」・「アロハ

オエ」の4曲でした。


今回、岡山から来ていただいた凡々さんと三味

線の十七吉さんのお知り合いが、花束を持って

きていただいたので、急きょ、トリの一席の前に

贈呈式をやらせていただきました。


そして、満を持しての登場は、本日の大トリの

潮吹亭くじらさん。この日は、お囃子の鉦(かね)

も担当したりと大忙しです。結局、自分の出番の

出囃子でも、自ら鉦を叩きながら高座に上がり

ました。


トリのくじらさんの出囃子でこの日の社中の大役

を無事終えためじろさんと十七吉さんです。ほっ

とした安堵の表情がうかがわれますね。

どうも、お疲れ様でした!!


くじらさんの演題は「天災」。喧嘩が三度の飯よ

り好きという男を諭そうと、心学(心を修養する

学問)を学ばせます。最初は、先生も手こずって

ましたが、「天災」にまつわる問答で、その男も

理解を示します。


今度は、この男が長屋のもめ事を、心学の先生

のマネをして「天災」で諭そうとするのですが、こ

れがとんでもない方向へ行ってしまって・・・。

「人生、ここまで達観できれば、世の中は平和

になる」という教訓的な落語でした。


終演後は、フラダンスのレフアニコ・フラクラブ

の皆さんさんがズラッと並んで「アロハ〜!」と、

お客さんをお見送りです。


打ち上げは、今回も会場のすぐ近くの「阿国」さ

んで開催。お店は貸し切り状態です。

次回の定例会(8月17日【日】)は、高槻西武

百貨店で開催の第120回「駅前寄席」です。

よろしくお願いします。





第175回 噺の会じゅげむ定期公演

 高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.120

   
と  き 平成20年8月17日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 


会場の舞台や客席や楽屋の設営もすべて終わ

り、高座では、今日のトリを務めるめぞんさんが

ネタのチェック中です。先生役!?は哀楽さん。


楽屋では、ネタ繰りに余念のないくじらさん。


会場は西武百貨店6階のレストラン街にある

んですが、袋小路のちょっと分かりにくい場所

にあります。目印は、隣のうどん屋「杵屋」さん

ですから・・・


開演前のひととき、メンバーが集まって会の運

営について話し合っています。



君、君…。話をちゃんと聞きなさい!!


受付も盛況です。


開演前は、飛び入り常連(もはや飛び入りとは

言えない?)の島ぼん太さんの漫談です。この

日も爆笑小咄のオンパレードで会場を和ませて

いただきました。


開演直前のあわただしい雰囲気の楽屋です。


トップは、先月の定例会(高槻市民寄席)でトリ

を務めた潮吹亭くじらさん。ネタは、当会の寄席

では初めての「兵庫船」です。正式には「兵庫船

鱶(ふか)の魅入り」と言い、噺のクライマックス

で海の中から鱶が登場します。


その鱶が巡礼の女の子に惚れ込み、船を止め

てしまい、船中がパニックになるという噺なんで

すが、今回は開口一番なので、その手前で終わ

りです。でも、昔懐かしいのどかな船旅の様子を

満喫できました。


哀楽さん(左)、弘遊さん(右)も楽屋でしきりに

ネタの勉強中・・・。


二番目は、寿亭司之助さん。演目は「花色木綿

(はないろもめん)」です。落語によくある泥棒の

噺。花色とは縹(はなだ)色のことで、薄い藍色

をした丈夫な木綿で、着物の裏地によく使われ

ていました。


空き巣に入られた男が、何も盗られていないの

に、家賃を踏み倒すために、家主さんにウソの

被害を申し立てます。ところが、押し入れの中に

隠れていた泥棒が逆ギレし飛び出してきて大騒

ぎになります。


お茶子さんは、天乃小てるさんです。


三番目は、阿遊亭弘遊さん。ネタは「秘伝書」で

す。いわゆる「ハウツー本」のことですね。昨今

は、裏技の解説やマニュアル流行りで、そういう

物がないと何もできないという人も増えているよ

うです。


でも、中には怪しげな秘伝書も数多くあります。

特に、縁日の屋台で売られているようなものに

は要注意。とんでもない秘伝が書かれた本を売

り付けられます。詐欺についての防犯落語と言

えるかも知れません。


当会の定例会は、ビデオ録画して出演者に配付

しています。稽古会をやらないかわりに、ビデオ

で自分の高座を確認して反省・勉強します。


中トリは、文々亭小輔さん。演題は季節ネタで、

これも当寄席では初お目見えの「夏の医者」で

す。昔は、医師免許もなかったので、その気に

なれば、誰でも医者になれたそうです。ちょっと

信じられませんが…


医師不足は今も昔も同じなようですが、救急車

もない時代、急患があっても、山越えをして往診

に出掛けなければなりません。山の中にはウワ

バミ(大蛇)なんかも潜んでおり、危険な目に遭

うこともあります。


今回も、入場者148名の大入り満員でした。

ほんとうに有り難うございます。おかげさまで、

平成12年10月以降、連続54回の大入りに

なりました。高槻市民寄席を含めると、64回

連続の大入りとなります。


(注)当会の「大入り」は、入場者が100名以上の場合。


高座を終えて、着物を丁寧に折りたたむ小輔

さん。几帳面さがにじみ出ています。


中入り後は、喜怒家哀楽さん。演目は「めざせ

甲子園」です。ちょうどこの日のその時間には、

甲子園球場で高校野球の決勝戦が行われて

おり、まさにタイムリーなネタです。高校野球の

応援歌で乗りに乗った哀楽さん、野球帽を被っ

ての登場です。


野球のシーンは無く、野球部の監督が町の人に

メンバーを紹介するだけなのですが、それだけ

で、高校野球の熱気が伝わってきます。実際の

高校野球を観戦しているように、落語の中で、

名プレー珍プレーが楽しめました。


終盤に近づいてきた楽屋風景。


当日のプログラムに連載のくじらさんのコラム

は、特集の「くじらのひとりごと」のNo.92に掲載

しています。


なぜか、トリの一席の前に代表が登場。実は、

今回の寄席は記録に残る回でした。なんと、

延べ入場者数が1万人を突破したんです。昔の

記録がないため、第32回以降の集計ですが、

1万人目のお客さんには、記念品として「ちりと

てちん」手ぬぐいを贈呈させていただきました。


今回もお菓子の差し入れをいただきました。こ

れは、滋賀県からお越しいただいた笑福亭爆笑

さんからです。後ろの写真は、故・仁六家拾八

さんが生前に注文製作した携帯用見台を使用

中の爆笑さんです。


トリは、花乃家めぞんさん。演題は「たらちね」、

漢字で書くと「垂乳根」です。上方落語では、

「延陽伯」。めぞんさんは、東京落語なので、

「たらちね」となります。


噺の筋は東京も上方もほぼ同じですが、演者に

よって、オチ(サゲ)が違います。めぞんさんの

元ネタは、柳家花緑師匠の演目だとのことです。

噺の内容は「寿限無」に似たようなところもあり

ます。


このお嫁さん、お公家さんに奉公していたので、

話し言葉がちょっと(というか、かなり?)難しい

んです。そんなことから、主人公の男が嫁さん

の名前が非常に長いものだと思い込んでしま

い、生活するのにも大変に苦労をします。

 というところで、今回の第120回「駅前寄席」も大盛況のうちにお開きになりました。

 来月の定例会は、9月21日(日)生涯学習センターでの第46回「高槻市民寄席」です。

 詳細は「お知らせ」コーナーをご覧ください。

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