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当会の今年最初の定例会です。毎年、「吉例顔
見世大興行」と銘打ち、大阪本店のメンバーが
総出演です。今回は、仁六家拾八さんが療養中
なので、当会KOBEの三流亭志まねさんが代演
です。写真は、会場設営を終え、照明の調整をし
ているところですね。
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受付風景です。当会岡山支店の備前家十七吉
さん(左から二人目)にもお手伝いいただきまし
た。
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さて、開演時間です。
今回は出演者が多いので、二部構成とし、
いつもより早い午後1時開演ということでしたが、
開演時にはご覧のとおり、一杯のお客さんが
お見えでした。
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本年のトップバッターは寿亭司之助さん。演目は
珍品「明石飛脚」です。文字通り飛脚が主役で、
最初から最後まで走りずくめという噺で、ふんだ
んにお囃子が入る賑やかな落語でした。下座と
の息もピッタリと合い、前日からの体調不良も
吹き飛んだようです。
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二番手は文々亭小輔さん。近頃は自宅の自治
会の役員もやっているので、会とバッティングし
たりしていますが、その分、出前寄席の方で頑
張っています。今回のネタは、「近眼の煮売屋」
です。近眼の主人のいる煮売屋をだまそうとし
て失敗する、これも珍品ネタと言えます。
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今日のお茶子さんも天乃小てるさんです。出演
者が多い分だけ、彼女の忙しさも増加します。
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三番手は花乃家めぞんさんです。正月公演の
雰囲気を盛り上げようと、新しい趣向、めぞんさ
んオリジナルの凧揚げ踊り? を披露。演目の
方は「平林」。無筆の噺ですが、昔は字を読めな
いのが当たり前のようなところもあったようで、
読み間違いが騒動に発展します。
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「第一部」のトリは喜怒家哀楽さん。マクラでは
得意の時事ネタ三連発で真骨頂を発揮です。
おかげで会場も大爆笑。
当日のプログラムに連載中の哀楽さんのコラム
は当HPの特集の「人生!喜怒哀楽!!」に収
録しています。
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演題は十八番の「時うどん」です。上方落語では
二人連れが定番なんですが、哀楽さんの「時うど
ん」は、故・桂吉朝師匠直伝の一人バージョンで
す。相変わらず、うどんを食す仕草では会場から
大喝采が沸き起こりました。
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おかげさまを持ちまして、この日は、入場者数が
何と257名という当会始まって以来の大入満員
となりました。お寒い中にもかかわりませず、ご
来場いただきありがとうございました。
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「第二部」のトップは潮吹亭くじらさん。ネタは昔
の年末の風物詩とも言える「厄払い」です。昔は
(特に商家)では縁起を担いで厄払いを呼び、こ
れまた昔から決まった文句を言ってもらい厄を
払っていたんですが、この厄払いもいい加減な
奴が多かったようです。
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二番手は洋酒家巧駆さん。くじらさんの年末ネタ
「厄払い」に引き続き、今度は正月の風物詩ネタ
「初天神」です。1月25日に天満宮にお参りする
ことを「初天神」と言いますが、子供のお目当て
は、もっぱら参道にあるお菓子なんかの売り店
でした。
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前にも書いたことがありますが、ここ高槻市民寄
席で使わせていただいている「見台」と「膝隠し」
は豪華な作りなので、かなり重量があります。
普通は見台の上に膝隠しを乗せて持ち運ぶの
ですが、これは無理! しばしば二人掛かりで
仕事をやることもあります。
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三番手は三流亭志まねさん。演目は江戸落語の
「大師の杵」です。この噺は「川崎大師」の由来
にまつわる真言宗開祖の空海上人(弘法大師)
のエピソードを地噺(会話ではない解説)で紹介
するものです。志まねさん独特の味のある地噺
で笑いながらも歴史の勉強になりました。
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今回の大トリは阿遊亭弘遊さんです。登場した
時には開演から3時間弱の時間が経過していま
したが、トリの一席を聴き逃すまいとほとんどの
お客さんが居残っていただいたようで、満員の
熱気が感じられました。弘遊さんのマクラにも
会場は笑いで波を打つような感じでした。
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今日の演題は、十八番の「町内の若い衆」です。
艶笑噺なんですが、弘遊さんの年代でさらりと
演じられますと、いやらしさはなく、程よい艶っぽ
さで、ついつい笑ってしまいます。「顔見世大興
行」も爆笑のうちに、無事お開きとなり、今年も
幸先のよい船出となりました。
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会場の西武百貨店前のJR高槻駅前ロータリー
は「高槻天神まつり」のイベントの舞台なんかで
賑わっていました。 【写真提供:くじらいだー@さん】
プログラムに好評連載中のくじらさんのコラムは
「くじらのひとりごと」No.81に掲載しています。
ミニ活動報告はくじらさんのブログをご覧くださ
い。
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西武百貨店さんで会場前等に毎回設置していた
だいている案内看板です。
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前回から始まりました開演前の番組宣伝です。
当日の番組と演者をパソコンのパワーポイント
というソフトを使って繰り返し紹介しています。
哀楽さんの労作です!!
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今や「駅前寄席」の名物ともなりました開演前の
飛び入り出演、漫談の島凡太さんです。この日
は、哀楽さんに対抗してか、小咄の連発で会場
を盛り上げていただきました。最後は恒例の十
八番の懐メロをご披露。
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その間も受付ではお客さんの受け入れに大忙し
です。この受付は少し目立たない場所にあるん
ですが、当寄席の顔として形も落ち着いてきま
した。最初は迷われたお客さんも多かったので
すが、常連のお客さんも増え、最近は迷わずに
早い時間から続々とお越しになられます。
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さて、第109回「高槻オーロラシティ・駅前寄席」
の開演です。興行の世界では、二八(にっぱち)
と言って、2月と8月はお客さんの入りが悪いと
いうのが昔からの相場なんですが、うちの会で
は心配ご無用! ご覧のとおり、開演早々には
空席のない本当の満員でした。
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トップバッターは喜怒家哀楽さん。この日の演目
は「小咄百選」です。つまり、古今東西の小咄の
集大成を一挙公開!? ご本人は「演るネタが
なくなったので・・・」なんてことを仰ってましたが、
とんでもない。ネタの豊富さゆえに、こんな趣向
も可能になるんです。
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古典中の古典から、新作の爆笑小咄まで、次々
と繰り出される小咄にお客さんも休む間もなく腹
を抱えてはりました。中には息が出来ずに倒れ
た人もいたくらいです(これは嘘)。参考にメモを
とる人がいたりして(これは本当)、哀楽さんの
高座は、まさしく小咄の機関銃攻撃状態・・・。
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お茶子さんは、天乃小てるさんです。もちろん、
本名ではありません。うちの会では、普段も皆、
芸名で呼び合うので、たまに本名を耳にしても
「一体、誰のこと?」なんて悩んだりすることも
あります。
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二番手は、高槻で開催する定例会には初登場
になる当会KOBE所属の盗難治家晩黒さんで
す。難解な芸名ですが、「となじや・ばんこく」と
読みます。学生時代に専攻していたタイ語に
ちなんでいます。「東南アジア」=「となじや」、
「タイ」=「バンコク」なんですね。
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ネタは「子ほめ」です。人をほめるというのは、
なかなか難しいもので、ほめ言葉も相手によって
使い分けねばなりません。あの手この手のほめ
方を教わったこの男、タダ酒を呑むために、
近所で生まれたばかりの友達の子どもをほめ
ようとしますが、思うようには行きません。
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三番手は潮吹亭くじらさん。演目は「ジンギスカ
ン」です。聴き慣れない落語のタイトルですが、
これは、夢路いとし喜味こいし師匠の漫才を元
にくじらさんが落語に仕立て上げたものです。
いとこい師匠の漫才は、どういう訳か落語的な
発想や展開が多いようです。
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ジンギスカン鍋の作り方を説明するという何でも
ないストーリーなんですが、その手順にことごとく
素朴な質問をするので、事がややこしくなってし
まいます。演者のくじらさんは、「演るたびごとに
落語らしくなってきた」と言ってはりました。また
次回にこのネタを聴くのが楽しみですね。
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まだ寄席が始まったばかりだというのに、客席
の椅子の数が全く足りなくなってしまい、後ろの
お客さんは立ち見になってしまいました。どうも
すみません。その後も続々とお客さんがお見え
になり、関係者一同は嬉しい悲鳴を上げてまし
た。
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中トリは本日のゲスト。当会の寄席では三度目、
「駅前寄席」では初登場の太閤堂新玄さんです。
新玄さんは、旭堂南鱗師匠の「講談道場」の生
徒さんでもあります。この日の演題は、講談で
「出世の白餅(しろもち)」。このタイトルは、「城
持ち」の洒落になってるんですね。
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この講談は、戦国時代の武将・藤堂高虎の出世
物語です。高虎が浪人で与右衛門と名乗ってい
た若い頃に、無一文で、ある宿屋に宿泊し、そこ
で餅をただ食いしてしまったことが縁でその宿の
亭主の心づかいから一念発起して、一国一城の
主にまでなります。
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「駅前寄席」が西武百貨店に移転してから最高
の184名の大入りでした。「駅前寄席」の過去
最高は第100回(グリーンプラザの最終回)の
214名で、その次が定例会100回記念の198
名でした。どちらも記念の公演でしたので、通常
の定例会では実質上、今回が最高となります。
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中入り後は寿亭司之助さんです。「駅前寄席」の
出演者の中では最古参になる彼も、会場にあふ
れんばかりのお客さんを目の当たりにして出番
前の束の間に感慨に浸っていたようです。実際
のところ、順風満帆のように見えるこの寄席も過
去には大きな危機が何度もありました。
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演目は「餅屋問答」で、ネタおろしです。東京で
は「こんにゃく問答」。仏教の中でも特に修行が
厳しいと言われている禅宗のお寺が舞台になり
ます。およそ修行とは無関係の餅屋の親っさん
が、成り行きから寺の大和尚になりすまし、永平
寺のお坊さんと問答の対決をすることに・・・
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楽屋での演者の交代の瞬間です。
志まね 「お疲れ様でした」
司之助 「お先に勉強させていただきました」
一席を演じ終えた者のホッとした気持ちと、これ
から高座に上がる者の緊張感が交差する微妙
な空間でもあります。
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さて、本日の「駅前寄席」のトリは、当会KOBE
所属の三流亭志まねさんです。高槻で開催して
いる当会大阪本店の定例会や出前寄席でもお
馴染みの方も多くなってきました。島根県出身
ながら江戸落語の語り手で、ネタの豊富さにも
定評があります。
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演題は「禁酒番屋」の一席。上方落語では「禁
酒関所」というタイトルで演じられますが、内容
は同じです。侍に禁酒令が出た城下町の酒屋
さんが何とか工夫を凝らして禁酒番屋を通り抜
けようとしますが、ことごとく見破られてしまいま
す。そこで奉公人が一計を案じて仕返しを・・・
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汗びっしょりの大熱演に、お客さんの目も志まね
さんの高座に引きつけられていました。この噺は
演りようによって、爆笑になったり下品になったり
と、演者の個性がよく表れるものだと言えます。
志まねさんの歯切れのよい江戸弁の粋な口調
で、会場は爆笑のうちにお開きとなりました。
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