過去の活動報告 No.47




第156回
  噺の会じゅげむ定期公演 

 第38回 高槻市民寄席 
   
    顔   大  

と  き  平成19年1月21日 午後1時開演

ところ 高槻市生涯学習センター 1階 展示ホール

共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ

当会の今年最初の定例会です。毎年、「吉例顔

見世大興行」と銘打ち、大阪本店のメンバーが

総出演です。今回は、仁六家拾八さんが療養中

なので、当会KOBEの三流亭志まねさんが代演

です。写真は、会場設営を終え、照明の調整をし

ているところですね。

受付風景です。当会岡山支店の備前家十七吉

さん(左から二人目)にもお手伝いいただきまし

た。

さて、開演時間です。

今回は出演者が多いので、二部構成とし、

いつもより早い午後1時開演ということでしたが、

開演時にはご覧のとおり、一杯のお客さんが

お見えでした。

本年のトップバッターは寿亭司之助さん。演目は

珍品「明石飛脚」です。文字通り飛脚が主役で、

最初から最後まで走りずくめという噺で、ふんだ

んにお囃子が入る賑やかな落語でした。下座と

の息もピッタリと合い、前日からの体調不良も

吹き飛んだようです。

二番手は文々亭小輔さん。近頃は自宅の自治

会の役員もやっているので、会とバッティングし

たりしていますが、その分、出前寄席の方で頑

張っています。今回のネタは、「近眼の煮売屋」

です。近眼の主人のいる煮売屋をだまそうとし

て失敗する、これも珍品ネタと言えます。

今日のお茶子さんも天乃小てるさんです。出演

者が多い分だけ、彼女の忙しさも増加します。

三番手は花乃家めぞんさんです。正月公演の

雰囲気を盛り上げようと、新しい趣向、めぞんさ

んオリジナルの凧揚げ踊り? を披露。演目の

方は「平林」。無筆の噺ですが、昔は字を読めな

いのが当たり前のようなところもあったようで、

読み間違いが騒動に発展します。

「第一部」のトリは喜怒家哀楽さん。マクラでは

得意の時事ネタ三連発で真骨頂を発揮です。

おかげで会場も大爆笑。

当日のプログラムに連載中の哀楽さんのコラム

は当HPの特集の
「人生!喜怒哀楽!!」

録しています。

演題は十八番の「時うどん」です。上方落語では

二人連れが定番なんですが、哀楽さんの「時うど

ん」は、故・桂吉朝師匠直伝の一人バージョンで

す。相変わらず、うどんを食す仕草では会場から

大喝采が沸き起こりました。

おかげさまを持ちまして、この日は、入場者数が

何と
257名という当会始まって以来の大入満員

となりました。お寒い中にもかかわりませず、ご

来場いただきありがとうございました。

「第二部」のトップは潮吹亭くじらさん。ネタは昔

の年末の風物詩とも言える「厄払い」です。昔は

(特に商家)では縁起を担いで厄払いを呼び、こ

れまた昔から決まった文句を言ってもらい厄を

払っていたんですが、この厄払いもいい加減な

奴が多かったようです。

二番手は洋酒家巧駆さん。くじらさんの年末ネタ

「厄払い」に引き続き、今度は正月の風物詩ネタ

「初天神」です。1月25日に天満宮にお参りする

ことを「初天神」と言いますが、子供のお目当て

は、もっぱら参道にあるお菓子なんかの売り店

でした。

前にも書いたことがありますが、ここ高槻市民寄

席で使わせていただいている「見台」と「膝隠し」

は豪華な作りなので、かなり重量があります。

普通は見台の上に膝隠しを乗せて持ち運ぶの

ですが、これは無理! しばしば二人掛かりで

仕事をやることもあります。

三番手は三流亭志まねさん。演目は江戸落語の

「大師の杵」です。この噺は「川崎大師」の由来

にまつわる真言宗開祖の空海上人(弘法大師)

のエピソードを地噺(会話ではない解説)で紹介

するものです。志まねさん独特の味のある地噺

で笑いながらも歴史の勉強になりました。

今回の大トリは阿遊亭弘遊さんです。登場した

時には開演から3時間弱の時間が経過していま

したが、トリの一席を聴き逃すまいとほとんどの

お客さんが居残っていただいたようで、満員の

熱気が感じられました。弘遊さんのマクラにも

会場は笑いで波を打つような感じでした。

今日の演題は、十八番の「町内の若い衆」です。

艶笑噺なんですが、弘遊さんの年代でさらりと

演じられますと、いやらしさはなく、程よい艶っぽ

さで、ついつい笑ってしまいます。「顔見世大興

行」も爆笑のうちに、無事お開きとなり、今年も

幸先のよい船出となりました。




第157回 噺の会じゅげむ定期公演

 高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.109

と  き 平成19年2月25日(日) 午後2時開演

ところ  高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール 

    


会場の西武百貨店前のJR高槻駅前ロータリー

は「高槻天神まつり」のイベントの舞台なんかで

賑わっていました。 【写真提供:くじらいだー@さん】

プログラムに好評連載中のくじらさんのコラムは


「くじらのひとりごと」
No.81に掲載しています。

ミニ活動報告はくじらさんの
ブログをご覧くださ

い。


西武百貨店さんで会場前等に毎回設置していた

だいている案内看板です。


前回から始まりました開演前の番組宣伝です。

当日の番組と演者をパソコンのパワーポイント

というソフトを使って繰り返し紹介しています。

哀楽さんの労作です!!


今や「駅前寄席」の名物ともなりました開演前の

飛び入り出演、漫談の島凡太さんです。この日

は、哀楽さんに対抗してか、小咄の連発で会場

を盛り上げていただきました。最後は恒例の十

八番の懐メロをご披露。


その間も受付ではお客さんの受け入れに大忙し

です。この受付は少し目立たない場所にあるん

ですが、当寄席の顔として形も落ち着いてきま

した。最初は迷われたお客さんも多かったので

すが、常連のお客さんも増え、最近は迷わずに

早い時間から続々とお越しになられます。


さて、第109回「高槻オーロラシティ・駅前寄席」

の開演です。興行の世界では、二八(にっぱち)

と言って、2月と8月はお客さんの入りが悪いと

いうのが昔からの相場なんですが、うちの会で

は心配ご無用! ご覧のとおり、開演早々には

空席のない本当の満員でした。


トップバッターは喜怒家哀楽さん。この日の演目

は「小咄百選」です。つまり、古今東西の小咄の

集大成を一挙公開!? ご本人は「演るネタが

なくなったので・・・」なんてことを仰ってましたが、

とんでもない。ネタの豊富さゆえに、こんな趣向

も可能になるんです。


古典中の古典から、新作の爆笑小咄まで、次々

と繰り出される小咄にお客さんも休む間もなく腹

を抱えてはりました。中には息が出来ずに倒れ

た人もいたくらいです(これは嘘)。参考にメモを

とる人がいたりして(これは本当)、哀楽さんの

高座は、まさしく小咄の機関銃攻撃状態・・・。


お茶子さんは、天乃小てるさんです。もちろん、

本名ではありません。うちの会では、普段も皆、

芸名で呼び合うので、たまに本名を耳にしても

「一体、誰のこと?」なんて悩んだりすることも

あります。


二番手は、高槻で開催する定例会には初登場

になる当会KOBE所属の盗難治家晩黒さんで

す。難解な芸名ですが、「となじや・ばんこく」と

読みます。学生時代に専攻していたタイ語に

ちなんでいます。「東南アジア」=「となじや」、

「タイ」=「バンコク」なんですね。


ネタは「子ほめ」です。人をほめるというのは、

なかなか難しいもので、ほめ言葉も相手によって

使い分けねばなりません。あの手この手のほめ

方を教わったこの男、タダ酒を呑むために、

近所で生まれたばかりの友達の子どもをほめ

ようとしますが、思うようには行きません。


三番手は潮吹亭くじらさん。演目は「ジンギスカ

ン」です。聴き慣れない落語のタイトルですが、

これは、夢路いとし喜味こいし師匠の漫才を元

にくじらさんが落語に仕立て上げたものです。

いとこい師匠の漫才は、どういう訳か落語的な

発想や展開が多いようです。


ジンギスカン鍋の作り方を説明するという何でも

ないストーリーなんですが、その手順にことごとく

素朴な質問をするので、事がややこしくなってし

まいます。演者のくじらさんは、「演るたびごとに

落語らしくなってきた」と言ってはりました。また

次回にこのネタを聴くのが楽しみですね。


まだ寄席が始まったばかりだというのに、客席

の椅子の数が全く足りなくなってしまい、後ろの

お客さんは立ち見になってしまいました。どうも

すみません。その後も続々とお客さんがお見え

になり、関係者一同は嬉しい悲鳴を上げてまし

た。


中トリは本日のゲスト。当会の寄席では三度目、

「駅前寄席」では初登場の太閤堂新玄さんです。

新玄さんは、旭堂南鱗師匠の「講談道場」の生

徒さんでもあります。この日の演題は、講談で

「出世の白餅(しろもち)」。このタイトルは、「城

持ち」の洒落になってるんですね。


この講談は、戦国時代の武将・藤堂高虎の出世

物語です。高虎が浪人で与右衛門と名乗ってい

た若い頃に、無一文で、ある宿屋に宿泊し、そこ

で餅をただ食いしてしまったことが縁でその宿の

亭主の心づかいから一念発起して、一国一城の

主にまでなります。


「駅前寄席」が西武百貨店に移転してから最高

の184名の大入りでした。「駅前寄席」の過去

最高は第100回(グリーンプラザの最終回)の

214名で、その次が定例会100回記念の198

名でした。どちらも記念の公演でしたので、通常

の定例会では実質上、今回が最高となります。


中入り後は寿亭司之助さんです。「駅前寄席」の

出演者の中では最古参になる彼も、会場にあふ

れんばかりのお客さんを目の当たりにして出番

前の束の間に感慨に浸っていたようです。実際

のところ、順風満帆のように見えるこの寄席も過

去には大きな危機が何度もありました。


演目は「餅屋問答」で、ネタおろしです。東京で

は「こんにゃく問答」。仏教の中でも特に修行が

厳しいと言われている禅宗のお寺が舞台になり

ます。およそ修行とは無関係の餅屋の親っさん

が、成り行きから寺の大和尚になりすまし、永平

寺のお坊さんと問答の対決をすることに・・・


楽屋での演者の交代の瞬間です。

  志まね 「お疲れ様でした」
  
  司之助 「お先に勉強させていただきました」


一席を演じ終えた者のホッとした気持ちと、これ

から高座に上がる者の緊張感が交差する微妙

な空間でもあります。


さて、本日の「駅前寄席」のトリは、当会KOBE

所属の三流亭志まねさんです。高槻で開催して

いる当会大阪本店の定例会や出前寄席でもお

馴染みの方も多くなってきました。島根県出身

ながら江戸落語の語り手で、ネタの豊富さにも

定評があります。


演題は「禁酒番屋」の一席。上方落語では「禁

酒関所」というタイトルで演じられますが、内容

は同じです。侍に禁酒令が出た城下町の酒屋

さんが何とか工夫を凝らして禁酒番屋を通り抜

けようとしますが、ことごとく見破られてしまいま

す。そこで奉公人が一計を案じて仕返しを・・・


汗びっしょりの大熱演に、お客さんの目も志まね

さんの高座に引きつけられていました。この噺は

演りようによって、爆笑になったり下品になったり

と、演者の個性がよく表れるものだと言えます。

志まねさんの歯切れのよい江戸弁の粋な口調

で、会場は爆笑のうちにお開きとなりました。


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