過去の活動報告 No.41
第144回 噺の会じゅげむ定期公演
第33回 高槻市民寄席
と き 平成18年1月22日 午後2時開演
ところ
共 催 高槻市生涯学習センター/噺の会じゅげむ
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「噺の会じゅげむ」大阪本店の本年で最初の 定例会です。毎年、「吉例顔見世大興行」と 銘打っての開催です。今回は、「大阪本店」と 「じゅげむKOBE」の演者12名のうち9名の 出演です。早くからお客さんがお越しになられ たので開場時間を繰り上げました。 |
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さて、第33回「高槻市民寄席」(当会の定例 会としては144回目)の開演です。ご覧のと おり、開演前から会場内は満席の状態で、す ごい熱気でした。生涯学習センターで椅子を 追加してもらったり、机を椅子代わりに使った りとうれしい悲鳴があがりました。 |
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今年のトップバッターは潮吹亭くじらさんです。 くじらさんも当会で素人噺家の活動を始めて 早いもので7年半になります。まずは、会を 代表して新年のご挨拶。その後はくじらさん オリジナル小咄の「安産の神様」。今年の 干支である犬がテーマのめでたいお噺です。 |
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二番手は阿遊亭弘遊さんです。ここ大阪本 店では最年長ですが、気持ちは一番若いか も知れません。ネタは「手紙無筆」(「平の陰」 とも言います)。昔は字の読み書きができな い人が多かったようで、中には見栄をはって 字が読めるふりをする人もいたようです。 |
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三番手は当会KOBE所属の竹馬亭志ん友さ ん。昨年に旗あげした「みかげ寄席」の世話 役として忙しい日々を送っています。演題は 「桃太郎」です。私たちが聴き慣れたいつもの 「桃太郎」ではなく、環境問題や犯罪学まで 飛び出す新しいギャグ満載のネタでした。 |
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現在は、当会の「大阪本店」と「KOBE」の 両方の定例寄席のお茶子さんを務めている 天乃小てるさんです。特に正月の顔見世興行 では出演者が多いので、名ビラめくり、座布 団返し、見台・膝かくしの出し入れと大忙しの 一日となります。 |
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四番手は本公演出演者の紅一点、KOBE所 属のあばら家艶幽さんです。昨年は思わぬ アクシデントに見舞われましたが、今年は元 気いっぱい若さあふれる高座です。演目は 「京阪神日常事変」。大阪・神戸・京都在住の 3人娘の性格の差が実に的を射た噺でした。 |
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中トリは、落語と温泉が好きという実に若者 らしい?趣味の文々亭小輔さん。いつも落ち 着いた高座の小輔さんですが、演題はあわて 者の俥屋さんが騒動を起こす「いらち俥」でし た。早さが自慢の俥屋さん、乗っているお客 さんのことをすっかり忘れて大暴走します。 |
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天気は良かったんですが、お寒い中にも関わ りませず、227名の方にご来場いただき、大 入満員となりました。また、立ち見でも長時間 にわたりご静聴くださいました方もおられたよ うで、まことにありがたく御礼申し上げます。 今後ともよろしくお願いします。 |
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中入り後は花乃家めぞんさん。今年から子供 を対象にした「子ども落語」の会を開催する予 定です。本日のネタは当初の「厠(かわや)」 を変更して古典の「たけのこ」にしました。下 級武士のほのぼのとした生活感あふれる噺 で、結局、その噺の中にも厠は出てきました。 |
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七番手は洋酒家巧駆さん。現在は姫路に住 んでいるので、小てるさん同様「大阪本店」と 「KOBE」を掛け持ちしています。演目は「道 具屋」の一席。実にポピュラーな噺で、露店 の道具屋をいきなり任された臨時雇いの主 人公のトンチンカンぶりが楽しめます。 |
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八番手はKOBE所属の三流亭志まねさん。 は東京落語です。ネタは「がまの油」。大道芸 とも言えるがまの油売りが、酒に酔っぱらって しまい、大失敗をやらかせてしまいます。がま の油売りの口上がなかなか難しい噺ですね。 |
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というところで、噺の会じゅげむ大阪本店の 「吉例顔見世大興行」も最後の出演者、トリ の寿亭司之助さんの登場です。こんな時の お定まり、紋付きの羽織に袴姿の司之助さ んですが、本人曰く「トリはトリでも、とりあえ ずのトリなんです…」 |
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今日のトリの演題は大ネタ?の「紀州」です。 ネタそのものは小咄ですが、テーマが、壮大 です。江戸時代の徳川幕府における将軍の お世継ぎ騒動(なぜ、八代将軍に紀州の吉 宗公がなれたのか?)がテーマです。笑い ながら歴史の勉強のできる楽しい噺でした。 |
第145回 噺の会じゅげむ定期公演
高槻オーロラシティ 駅前寄席 vol.102
と き 平成18年2月26日(日) 午後2時開演
ところ 高槻西武百貨店(高槻オーロラシティ)6階多目的ホール
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前回と同様、高槻市は雨模様。「駅前寄席」 は西武高槻百貨店の開催になり、2回連続 の雨です。そして、今回は西武高槻百貨店 の前の道路は天神さんの縁日で屋台がズラ リと並んでいました。 |
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設営が終わった舞台では、今日出番のない 花乃家めぞんさんがマイクテストの真っ最中 です。音響係の「もっと低くして!」の声に めぞんさんは思わず自分の頭を低くし、「頭 と違う。ボリュームを下げるの!!」と突っ込 みが…。まさしく落語国の住人です。 |
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建物の外は雨の勢いが強くなってきました。 さすがに、開場時間になってもお客さんの出 足が悪かったので、会場のある6階レストラ ン街で広報活動です。写真は、当会KOBE の三流亭志まねさんと浪華家久句さんです。 |
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「会場はこちら」と喜怒家哀楽さん。でも、指 の先は会場の隣の「手打ちうどん・杵屋」さん のおすすめメニューになってますよ…。 |
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こちらは会場付近で呼び込みをやっている あばら家艶幽さんです。 |
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開演時間の前ですが、「駅前寄席」飛び入り 出演常連のミルキー駿二(島凡太)さん。今 回の演し物は浪曲から抜粋した「希代の名工 ・左甚五郎」の語りです。さすがにレパートリー の広さを感じさせます。 |
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哀楽さんおすすめ?の杵屋さんの隣、廊下の 一番奥が受付です。開演時間の直前になる と、いつもどおりにお客さんが続々とお越しい ただきました。 |
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そういう訳で、トップバッターの喜怒家哀楽さ んが高座に上がる頃にはご覧のとおり客席 は、ほぼ満席になりました。 |
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この日の哀楽さんは、休演の仁六家拾八さ んのピンチヒッターです。お客さんに携帯電 話の電源の注意をしている最中に、どこから か着信音が…。犯人は誰かと思いきや、当人 の哀楽さんの袂の中の携帯電話でした (>_<) たちまち、司之助代表からきついお叱りを…。 |
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ネタは得意の「阿弥陀池」です。哀楽さんは このネタで素人名人会の名人賞を受賞した ことがあります。新聞を読む、つまり世間の 情報によく通ずることの大事さを教えてくれる 噺です。普段、新聞を読まないこの男、簡単 に担がれて大騒動を起こしてしまいます。 |
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二番手は洋酒家巧駆さん。演目はネタおろし でもあり今まさに旬のネタ「ふぐ鍋」です。古く から「ふぐは食いたし、命は惜しし」
「ふぐ食う 馬鹿、ふぐ食わぬ馬鹿」てなことをいいます が、ふぐの旨さは知っていても、ふぐの毒は やはり恐いものです。 |
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旨そうに炊きあがったふぐ鍋を前にして二人 の男のどちらが先に口に入れるかという丁々 発止の駆け引きが何とも言えず笑えます。結 局、一計を案じて、他人に先に食べさせよう ということになったのですが…。「人を使うは 使わるる」のことわざのとおりでした。 |
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本日もお茶子さんを務めるのは天乃小てるさ んです。名ビラめくりは、お茶子さんの仕事の ひとつですが、通常は寄席文字という特殊な 文字で書かれます。右上がりで余白の少ない 書体は、寄席の大入満員の願いが込められ ています。 |
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三番手は京都の「楽笑会」からのゲスト、当 会では2回目の出演になる錦松楼さだ吉さ んです。演題は「勘定板(かんじょういた)」 の一席。ネタの内容が内容だけに普段は あまり聞くことのない珍しい落語です。 |
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越前は福井の田舎から来た旅の二人連れ、 大阪の宿に宿泊することになったんですが、 便意を催し、お国での便所である「閑所(か んじょ)板」を借りようとしたところ、宿の番頭 さんは「勘定」の「板」つまり、ソロバンと勘違 いして大騒ぎになってしまいます。 |
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さだ吉さんの珍品落語に思わず聴き入る楽 屋の左から潮吹亭くじらさん、文々亭小輔さ ん、あばら家艶幽さんです。当日のプログラ ムに好評連載中の潮吹亭くじらさんのコラム は「くじらのひとりごと」No.74です。 |
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中トリの潮吹亭くじらさん。高座に上がるなり いきなりイナバウワー(前々日にトリノオリン ピックの女子フィギュアで金メダルを獲得した 荒川静香さんの得意技)です。でも、これは 得点には加算されません。(落語では大いに 効果あり!?) |
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演目は十八番の「天災」です。何かにつけて ケンカ早い主人公の男ですが、甚兵衛さんの 勧めで心学の先生の所に行きます。最初は 先生の話を聞いてもトンチンカンだった男も、 なぜか天災の話で突然に悟りを開いて、一転 物わかりのいい善人に変身してしまいます。 |
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時にはどしゃ降りになったりしている雨模様 と天神さんの縁日とで、お客さんの入りが本 当に心配でしたが、結局は、120名の大入 満員になりました。お足元がお悪い中をわざ わざお越しいただきましてまことにありがとう ございます。 |
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中入り後は、番組中の紅一点、当会KOBE 所属のあばら家艶幽さん。演目は桂あやめ さんの創作落語「京阪神日常事変」です。今 年は「高槻市民寄席」・「みかげ寄席」に続い てこのネタを演ることになりましたが、会場ご とに演出に工夫を凝らしていました。 |
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大阪・神戸・京都の仲良し?三人娘が居酒 屋に飲みに行くという何でもないシチュエー ションなんですが、いらちで仕切りたがりの 大阪人、プライド高い神戸人、おっとりとした 京都人といった特徴を見事に盛り込んだ噺 になっています。 |
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さて、本日の大トリ、文々亭小輔さんの登場 です。演題は「くっしゃみ講釈」。大ネタでも あり、演者にとって難しいネタでもあります。 というのも、噺の中に講釈師が「難波戦記」 を朗々と語りつつ、途中からくしゃみをしな がら語るというテクニックが必要なんです。 |
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昔は大阪にも各所に講釈場という講釈専門 の会場がたくさんあり、たいそう流行っていた そうです。売り差し中の講釈師・後藤一山に ひどい目に遭わされた男が、仕返しのために 講釈場で「とんがらし」をくすべて、講釈を 妨害しようとします。 |
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噺のクライマックス。思いどおりに仇討ち? を果たしたこの男、意気揚々と歌を歌いなが ら引き上げます。番組が少し長引いて、寄席 の終了時間が遅くなりましたが、小輔さんの 熱演にお客さんも思わず引き込まれて最後 までお付き合いいただきました。 m(_ _)m |