噺の会じゅげむ定期公演 VOL.137
第97回 グリーンプラザ 駅前寄席
と き 平成17年4月17日 午後2時開演
ところ JR高槻駅前 グリーンプラザたかつき1号館 4階 多目的ホール
主 催 グリーンプラザたかつき1号館
|
早いもので、「駅前寄席」も97回目の開催で す。通算100回まであとわずかとなりました。 写真は会場の前で立看板や名ビラの準備を しているところですね。 |
|
一方、楽屋では段取りを終えた今日のトリの 潮吹亭くじらさんが真剣にネタのチェックをし ているようです。 |
|
開演の15分前です。まだ客席のお客さんは まばらなんですが、飛び入り出演(と言っても 常連なんですが…)のミルキー駿二さんの高 座です。今日のミルキーさんは漫談ではなく、 なんと落語の「はてなの茶碗」でした。 |
|
その間にもお客さんがドンドンとご来場。 |
|
さて、いよいよ開演時間です。今日のトップは 仁六家拾八さん。演目は「世帯念仏」の一席 です。日曜大工が趣味の拾八さんは、来月に 旗あげの神戸の「みかげ寄席」専用の見台・ 膝かくしの製作を依頼され、この日はその設 計(新案特許もの?)に忙しそうでした。 |
|
最初から最後まで念仏を唱え続けるという珍 しい落語ですが、庶民の日常の生活がところ どころに垣間見えるほのぼのとした楽しい噺 です。この演目は「世帯念仏」と書いて「せた いねんぶつ」と読まず、なぜか「しょたいねん ぶつ」と読ませます。 |
|
二番手は阿遊亭弘遊さん。演題は、「町内の 若い衆」です。ネタのタイトルと同様にご本人 は当会の若手を自認されています。高座での キャリアは若いですが、人生の経験は豊富な 弘遊さん、落語にもそういった雰囲気がにじ み出ていました。 |
|
主人公の兄貴分の奥さんが上品でいい人。 旦那が出世して家を建て増したのも「町内の 若い衆のおかげ…」と自慢はしません。それ に感心したこの男、自分の女房に同じセリフ を言わそうとしたのですが、妊娠中の女房は とんでもないことを口走ってしまいます。 |
|
お茶子さんの天乃小てるさんです。お茶子さ んと言えば、寄席には不可欠な存在という感 じですが、最近はほとんど見かけませんね。 今度できる大阪の定席寄席「天満天神・繁昌 亭」にはお茶子さんはいてはるのでしょうか? 小てるさんは「みかげ寄席」にも参加です! |
|
三番手は洋酒家巧駆さん。ネタは創作落語 の「マキシム・ド・ゼンザイ」です。現在は仕事 の関係で姫路から通ってられます。自ら当会 随一のイケメンと主張するだけに女性ファン も多いようです。確かに巧駆さんが登場する と女性の目つきが変わりますが・・・ |
|
この噺は先日亡くなられた桂文紅師匠(ペン ネーム・青井竿竹)作の「ぜんざい公社」を ベースに小佐田定雄さんが創作したもので す。高級レストランの気取った訳の分からな い料理名を皮肉っています。ちょっとキザな ウエイターの雰囲気がよかったですね。 |
|
四番手は会場のお客さんのお待ちかね。本日 のゲストであり紅一点のフラワー亭花奴さん。 本来はフラワー劇場の女優さんなんですが、 その芝居の修行で落語も勉強しておられま す。演目は「駄洒落女房」です。艶やかな登 場で高座に花が咲きました。 |
|
亭主の浮気に怒った女房が仲人さんに愚痴 をこぼしますが、在原業平や小野小町の逸話 を例にして、女房に芸があれば亭主は家にい るものだと諭される。女房は口がうまいので、 亭主を家に引きとめようと駄洒落を連発して その場を盛り上げようと努力しますが・・・。 |
|
中トリは、5月8日(日)に旗あげすることにな った「噺の会じゅげむKOBE(神戸)」の「みか げ寄席」の世話役で地元の広報活動や段取 り等に大忙しの竹馬亭志ん友さんです。演題 は「覚弥の香々(かくやのこうこう)」。ちょっと 聞き慣れないタイトルですね。 |
|
この噺のは「酢豆腐」の前半部分を志ん友さ んが独立させたものです。もちろん、東京落 語であります。上方落語では「ちりとてちん」 なんですが、前半部分はかなり違うようです。 粋がる男をうまく乗せて、ぬかみその中の漬 物を取らせようとしますが・・・。 |
|
おかげさまを持ちまして、この日も170名の 大入満員で、ご覧のとおり立ち見の方まで 出てしまいました。ほんとうに有難うございま した。次回は奇数月ですが、引き続きこの 会場で「駅前寄席」の開催です。お間違えの ないように!! |
|
「今日はあんたら出演せえへんのん?」と 受付では、メンバーとお客さんとがなごやか に歓談してます。 |
|
中入り休憩の後は、激しい格闘技系落語家で あり、その反面、優雅な俳人の羅紗亜(らっ しゃー)こと花乃家めぞんさんです。今日の |
|
といっても筋は相撲ネタの「大安売り」です。 訳の分からない四股名の奇妙な力士が次々 と登場しますが、主人公の力士「ウドの山・大 木」はことごとく負けてしまいます。仕方がな いので今度は名を「勝々山・たぬき」と変えて 頑張りますが、その結末は・・・。 |
|
客席の一番うしろでは、この日は出番のない 喜怒家哀楽さん(左)がゆっくりとメンバーの 演じる落語を楽しんでいました。その右横で は同じく出番のない文々亭小輔さんが写真係 を勤めています。 |
|
こちらも会場の客席の隅っこで出番の終わっ たゲストのフラワー亭花奴さんがめぞんさん の落語に聴き入って(圧倒されて?)ます。 |
|
さあ、本日の大トリの潮吹亭くじらさんの登場 です。演目は「肝つぶし」。最近はあまり聴く ことのない珍しいネタです。くじらさんの新た な挑戦と言えましょう。プログラムに好評連載 中のくじらさんのコラムは、特集コーナーの 「くじらのひとりごと」のbU9です。 |
|
友情のため家族をも犠牲にしようという義理 がたい男が主人公です。夢の中の女性に恋 わずらいした友人を救うため、年月の揃った (例えば、辰の年、辰の月、辰の日、辰の刻 に生まれた)女の生き肝を調達しようとする のですが、それは自分の妹だったのです。 |
|
この噺は重要な場面になるといくつかのハメ (効果音)が入ります。この日、楽屋でハメを 担当したのは出番がない寿亭司之助さんでし た。 |
|
実の妹を殺害する決意をしたこの男。出刃 包丁を丁寧に研いで、寝ている妹の上でつい に包丁を構えますが、さすがになかなか振り 下ろせません。設定は荒唐無稽ですが、実に 味のある人情噺でもあります。お客さんもそ のサスペンスに思わずのめり込んでました。 |
|
少し長丁場になった寄席も無事にお開きに なり、いつもの吟醸酒蔵みゅ〜じあむで打ち 上げです。ゲストのフラワー亭花奴さんの所 属するフラワー劇場の皆さんも参加していた だき、メンバーの小輔さんの婚約発表なども あり、大いに盛り上がりました。 |
噺の会じゅげむ定期公演 VOL.138
第98回 グリーンプラザ 駅前寄席
と き 平成17年5月15日 午後2時開演
ところ JR高槻駅前 グリーンプラザたかつき1号館 4階 多目的ホール
主 催 グリーンプラザたかつき1号館
|
いつものように会場設営を終え、順調な開演 前の風景のようですが、楽屋の裏では大騒ぎ でした。何と会場備え付けの音響設備のアン 事務局のみゅーじあむ店内のステレオのアン プを借りて急場をしのぎました (^_^;) |
|
開場の15分前は、飛び入り常連でおなじみ になってしまったミルキー駿二さんの漫談で す。この日は、いつもより調子が乗っていた のかお得意の唄が次々と飛び出し、客席の 雰囲気を盛り上げていただきました。 |
|
開場の直前にどしゃ降りの大雨が降ってきて 「これはえらいこっちゃ!」
とスタッフ全員が 心配してましたが、「駅前寄席」は雨にも負け ず、風にも負けず・・・ということで、お客さん はちゃーんと来てくれはりました。 |
|
ということで、開演時間です。今日のトップは、 阿遊亭弘遊さん。ネタは「へっつい盗人」で す。弘遊さんは仕事(自営業)の関係上、最 近増えてきた出前寄席の依頼に伴い、出演 をお願いする機会が急増してきました。その おかげもあってか着実にネタも増えてます。 |
|
友人の引越のお祝いに「へっつい(かまど)」 を贈ることにしたのはいいんですが、お金が ないので、道具屋から盗んでくることにした 大変に律儀な? 兄弟分の男の噺です。夜 中にこっそりと道具屋へ忍び入ろうとします が、ドジな弟分のおかげで・・・。 |
|
最近は、岡山支店やじゅげむKOBEの公演 にも参加して大忙しのお茶子の天乃小てるさ んです。当会大阪本店の先代お茶子さんの みちのく小雪さん(現・小倉出張所)からバト ンタッチを受けてから2年を越え、演者との 息もバッチリです。 |
|
二番手は、寿亭司之助さんです。おーっと、 いきなり反則技の飛び道具「でか耳」が登場。 司之助さんは今年初めての駅前寄席の高座 で、うれしくてうれしくて仕方がなかったようで す。 「今日は、こっちが楽しませてもらいまし た」 と満足げでした。 |
|
演目は最近出前寄席なんかでよく演っている 「老婆の休日(防犯バージョン)」です。桂文珍 さんの創作落語を基本に詐欺被害防止のミニ 防犯を織りこんでいます。なにげない病院の 待合室のおばあさんの会話なんですが、結 構、社会風刺があったりして楽しい噺です。 |
|
三番手は、3月の「高槻市民寄席」にもゲスト 出演していただいた、あばら家艶幽さんです。 ところが、公演終了後の打ち上げの席で、 当会に入会されることを表明されましたので、 艶幽さんも、「噺の会じゅげむKOBE」のメン バーになっちゃいました!! |
|
演題は「転宅」の一席。お妾さんの家に泥棒 が入りますが、その女性の方が一枚も二枚も 役者が上です。言われるままにに夫婦の約束 までしてしまった泥棒は、ふところのお金まで 巻き上げられ、翌日の朝にこの家に来てみる と・・・。芸名のとおり艶っぽい噺でした。 |
|
本日の中トリは黒紋付きの羽織も凛々しい 仁六家拾八さんです。「じゅげむKOBE」の 「みかげ寄席」で使用する折りたたみ式の見 台・膝かくしを設計・製作したんですが、これ がメンバーの間でかなりの大評判で、拾八さ んは鼻高々でした。 |
|
演目は「住吉駕籠」です。拾八さんが「前から いっぺん演ってみたかったネタですわ」という くらい入れ込んだ落語です。登場人物が様々 で割と難しい噺でもあります。侍や酔っぱらい に翻弄される駕籠屋さんの悲哀がよく表れて いました。 |
|
本日は雨の中でお足元が悪い中、133名の 方にご来場いただき、大入満員の連続記録 を更新(平成12年10月以降、連続31回)し ました。本当にありがとうございます。 |
|
着替え終わった拾八さんが受付で差し入れの お饅頭をほおばってます。中トリの任務を無事 に終え、ホッと一息といったところでしょうか。 |
|
中入り後は喜怒家哀楽さん。ネタは「桃太郎」 です。哀楽さんは、学校関係の出前寄席に 落語をする時のネタには悩むようですが、 そういう際はわかりやすいこの「桃太郎」や 「寿限無」といったネタがいいそうです。 |
|
この噺は、名作と言われる昔話の「桃太郎」 の新(珍)解釈をめぐって父親と子供がバト ルを繰り広げます。「犬・猿・雉の動物が仁・ 知・勇という徳を表す」などと妙に説得力の ある子供の言い分に思わず納得してしまう 父親です。やがて、親子の立場が逆転!? |
|
本日の大トリはお待ちかね、文々亭小輔さん の登場です。実を言うと、今回は小輔さんの 「さよなら公演」になります・・・。 と言っても、独身時代最後の高座ということ なんですが (^_^)v 客席にはフィアンセもお見えでした。 |
|
演題は、ネタおろしの「ちりとてちん」です。東 京ではそのままズバリ「酢豆腐」という噺にな ります。いつも知ったかぶりで自慢ばかりして 鼻持ちならない男を懲らしめてやろうと、たま たま台所にあった腐ってカビだらけの豆腐を 長崎名産の珍味ということにしてしまいます。 |
|
そして、それらしく「長崎名産・元祖・ちりとて ちん」という名前を付けて、例の男に見せる と、「知らない」ということを言えない男は思わ ず、「好物です!」と言ってしまいます。 その辺のやりとりにお客さんも大爆笑でした。 |
|
会場の隅っこからも、拾八さん、めぞんさん、 艶幽さんが小輔さんの高座を楽しんでます。 ちなみに、花乃家めぞんさんは、6月12日 (日)にトリイホールで開催される「全日本社 会人落語選手権・大阪本選」に出場されます。 |
|
さて、腐った豆腐「ちりとてちん」を食べなけ ればならなくなってしまったこの男。あまりの 臭いに辟易しながらも、ついに一口食べて しまいました!! さてさて、「ちりとてちん」 のお味はいかが・・・!? |
|
おかげさまで今回も無事にお開きとなり、当 会事務局の吟醸酒蔵みゅ〜じあむで打ち上 げの宴です。今日は店のアンプをお借りして いたので、店内のBGMはありません。それ でも美味しいお酒を酌み交わしながら、大い に盛り上がりました。 |