過去の活動報告 No.36

 

 

噺の会じゅげむ定期公演 VOL.134

 第96回 グリーンプラザ 駅前寄席

と  き  平成17年2月20日 午後2時開演

ところ JR高槻駅前 グリーンプラザたかつき1号館 4階 多目的ホール

主 催 グリーンプラザたかつき1号館

 

今年最初のグリーンプラザ「駅前寄席」です。

会場内の舞台や客席などの設営の形は、ほ

ぼ決まってきましたので、このところは受付の

レイアウトにも凝りはじめました。皆でわいわ

いと意見を出し合って、少しでも遠くから目立

つように飾り付けをしてます。

設営がすべて終わった会場では、今日のトリ

の喜怒家哀楽さんがひとりでネタの稽古をし

ています。結構長い噺なんですが、最初から

最後まで演技をチェックしながらまるまる一席

やっちゃてました。それにしても哀楽さんのス

タミナには恐れ入ります。

駅前寄席では、このところ毎回、飛び入り出演

で開演時間の15分前から高座に上がってい

ただいているミルキー駿二さんです。この日

も、しゃべくりのベテランらしい話術で、次々と

入場してくるお客さんを高座に引きつけていま

した。雰囲気作りに大いに助かってます。

その間にもお客さんの受け入れに大忙しの受

付です。この日の番組のプログラムと次回の

定例会(高槻市民寄席)のチラシをお配りして

います。お客さんの 「毎月、楽しみにしていま

すよ」 とのお言葉。私たちにとって本当にうれ

しい一言です。

さて、開演です。この日は、朝の気温がかなり

冷え込んでいたので、お客さんの足が遠のく

のではないだろうかと心配していましたが、開

演時には、ご覧のとおり満員状態でした。

そして、今日の番組には統一されたテーマが

あります。そのテーマとは・・・?

本日のトップバッターは、先月の高槻市民寄

席で大トリの洋酒家巧駆さんです。うちの会で

はトリの後は前座を勤めるのが慣習になって

います。演目はネタおろしの「犬の目」。一週

間前に「このネタ、今から覚えます」と宣言し

た巧駆さん。見事に間に合ったようです。

目が悪くなり、友人のすすめでちょっと怪しげ

な眼科の病院に行ったこの男、目をくり抜か

れて洗浄して干してくれるはずが、その目が

犬に食べられてしまいます。困った医者は、

患者に内緒でその犬の目を患者に入れます。

意外とその目が体に合ってたりして・・・

二番手は文々亭小輔さん。演題は、定例会で

はネタおろしになる「動物園」です。彼はこの

ネタを、最近、二度ほど続けて出前の落語会

などで演じています。しかし、いろいろと試行錯

誤をしてきた結果、同じ演目でも、この日はさら

にパワーアップしていたようです。

「楽してもうかる仕事」を探していたこの男、そ

んな虫のいい話は無いと思っていたところ、動

物園の死んだ虎の皮をかぶって虎の身代わり

をするという仕事が見つかりました。でもうまい

話には必ず落とし穴があるもの。この男にとん

でもない恐怖が降りかかってきます。

今回もせっせとお茶子を勤める天乃小てるさ

んです。当会の進行には欠かせない大事な仕

事なんですが、来月はお休みになるので、この

あと登場する花乃家めぞんさんが代理のお茶

子さん(男性だったら「茶坊主?」)を勤めるこ

とになっています。

三番手は花乃家めぞんさん。ネタは、めぞん

さんの創作落語「桃えもん」です。元は、古典

落語の「桃太郎」ですが、登場人物が「ドラえ

もん」のキャラクターです。会場の子供さんを

マクラの咄でうまく巻き込んで、他のお客さん

も一緒にめぞんワールドに引き込みました。

桃太郎ならぬ桃えもんと言う名を付けられた桃

から生まれた男の子。おじいさん、おばあさん

が大事にしていたヨン様の写真集やモー娘の

CDと写真をジャイアンやスネ夫に盗られたの

で、桃えもんはそれらの宝物?を取り返しに出

かけますが、その成果はというと・・・!!

中トリはゲスト出演の浪華家久句さんです。演

目は人情噺の「厩(うまや)火事」。以前から、

うちの会のお手伝いをやっていただいてたん

ですが、今回、満を持しての登場になります。

久句さんはプロの噺家さんの指導を受けてお

られ、その時にこの芸名をもらったそうです。

自分の夫の性根を確かめたい髪結いの女房

ですが、逆に確かめるのも恐いという女心が

よく表れている噺です。孔子の愛馬が火事で

死んでしまいましたが、孔子は馬よりも弟子

のケガの心配をしたという故事をまねして夫

の気持ちを探ろうとします。その結果は・・・

おかげさまで、今年最初の駅前寄席も大入り

満員の142名のお客さんにご来場いただきま

した。まことにありがとうございます。

プログラムに好評連載中のくじらさんのコラム

は、特集コーナー「くじらのひとりごと」

bU8にアップしています。

中入り後は、潮吹亭くじらさん。演目は十八番

の「狸のさいころ」ですが、先月と同様に噺の

導入部分が秀逸でした。マクラなしでいきなり

落語に入ると見せかけて、何気ない二人の会

話がマクラになっていました。その会話の延長

がやがて落語の本題に自然と流れます・・・

ある男に命を救われた1匹の子狸。恩返しをし

なければ人間と同じだと親狸に言われ、その

男の頼み事を聞いてくれます。ところが、男の

頼み事というのは、バクチのサイコロに化けて

思うとおりの目を出すことでした。子狸は恩に

報いようと一所懸命に努力しますが・・・

さてさて、本日の大トリ、喜怒家哀楽さんの登

場です。演題は、小輔さんと同様に定例会で

はネタおろしの「池田の猪買い」です。今回は

小輔さんと哀楽さんはお互いの得意のネタを

交換した感じですね。それぞれがアドバイスし

あってネタを作り上げてました。

冷え気(淋病)で体が冷えて仕方がないという

男が、物知りの甚兵衛さんの教えを請い、猪

の肉をくすり喰いするために池田まで猪の肉を

買いに行くという上方落語を代表する噺です。

途中で忙しそうにしている人に、わざと道を尋

ねる場面は有名で、何回聴いても笑えますね。

楽屋で今日の哀楽さんの「池田の猪買い」の

ハメを担当する司之助さんと高座に没頭する

くじらさんです。というところで、この日の番組

のテーマですが、もうお判りですね。サブタイト

ルが「アニマルじゅげむの巻」。つまり、動物

つながりのネタ特集でした。

 大阪市内の丼池から歩いて大阪北部の池田ま

で歩きます。(うちの会では実際にこの行程を

歩いてみたことがあります。その時の模様は、

「特集」の「落語国探訪」に掲載してます)新し

い肉がほしいと無理を言い山漁師の六太夫

さんと山へ猪撃ちに出かけるのですが・・・

今年最初のグリーンプラザ駅前寄席も大盛況

のうちにお開きとなり、ゲストの方たちを交えて

吟醸酒蔵みゅ〜じあむで打ち上げです。多く

の差し入れは、すべておいしくいただきました。

来月の高槻市民寄席は、3月21日の振替休

日の月曜日です。お間違えのないように!!

 

噺の会じゅげむ定期公演 VOL.135

 第29回 高槻市民寄席 

と  き  平成17年3月21日 午後2時開演

ところ 高槻市生涯学習センター 1階 展示ホール

共 催 (財)高槻市文化財団事業団生涯学習センター/噺の会じゅげむ

 

高槻市民寄席もこの生涯学習センターの会

場に移転して1年と9ヵ月、延べ10回目の開

催となります。舞台設営の形も大体固まって

きて、寄席の会場としては申し分のない会場

と言えるでしょう。作業も手慣れてきたので、

時間的に余裕も出てきました。

お客様にお配りするプログラムとチラシの準

備に余念のない今日のトリの仁六家拾八さん

(左)と中トリの文々亭小輔さん(右)。このお

二人は年齢差が29年もありますが、落語の

キャリアはほぼ同期の泉州在住コンビです。

会場前に配置する手書きの看板です。

無念無想・・・。精神集中をする舞台袖の楽屋

での喜怒家哀楽さん。今日のトップバッターで

す。今回から高槻市民寄席のプログラムのコ

ラムを潮吹亭くじらさんからバトンタッチを受け

担当することになりました。

この日は、いつもの日曜日の開催と違い、月

曜日の振替休日です。その上、彼岸で天気も

いいのでお客さんの入りがかなり心配でした。

いつもより早めに開場したところ・・・

予想以上のペースで続々とご来場いただき、

開演時にはご覧のとおりほぼ満席になりまし

た。開催日が変則になっても、ちゃーんと皆

さんは覚えてくらはりました。有り難いことで

す。さて、高座の上は喜怒家哀楽さん。高槻

市民寄席のスタートです。

演目は「手水廻し」。大阪の客人が何気なく

言った「手水を廻す(洗面道具一式を持って

来て)」の意味を調べるため、探求心旺盛な

田舎の宿屋の主従が大阪へ来て大騒ぎにな

ります。哀楽さん演じる勘違いに翻弄される

ドタバタアクションに会場も大爆笑でした。

二番手は阿遊亭弘遊さん。ネタは「始末の極

意」です。徹底的にケチを貫き通すための方

法を教わろうと一所懸命になります。木の枝

につかまることで体得できるというその極意

とは・・・。木の枝にぶら下がった弘遊さんの

何とも言えない仕草も爆笑を誘いました。

全力投球の一席を終えた弘遊さんに会場の

お客さんから花束が贈られました。より一層

の芸の励みなりますね。その他にもいろいろ

な方から楽屋にも食べ物の差し入れをいただ

きました。毎度、ごっつぁんでっす! 

「よっしゃー!」と楽屋で気合いを入れている

のは格闘技系落語家の花乃家めぞんさんで

す。といっても、この日は出番はありません。

お茶子の天乃小てるさんがお休みのため、

代わりにお茶子ならぬ茶坊主を勤めていま

す。

一方こちらは、次の出番を待っているゲスト

のあばら家艶幽(えんゆう)さん。最近はあち

らこちらで活躍されている新進気鋭の女流

噺家です。でも、緊張のあまり・・・。

演題は「つる」です。鶴という名の由来はどこ

から来たのかという上方落語の定番の噺です

ね。いわば強引な理由付けなんですが、その

馬鹿馬鹿しさが面白いです。華やかな艶幽さ

んの登場に会場もどよめきました。是非とも

また出演していただきたいものです。

艶幽さんの高座の最中の楽屋風景です。

ちょっと、右のお二人さん。いつもと高座を見

る目つきが違いまっせ! 

その横は冷静に出番を待つ文々亭小輔さん。

今日の中トリの小輔さんのネタは「向う付け」

の一席。葬式の帳場を舞台にした落語です。

今では考えられませんが、読み書きが出来な

い人が多かった時代の噺でしょうね。独自の

ギャグも盛り込み、絶好調の小輔さん。会場

は、ぶんぶんワールドの虜となりました。

「案ずるより産むが易し」、「案じるより団子

汁」とか言いますが、結局は176名の方に

ご来場いただき大入満員となりました。本当

にありがとうございます。次回の高槻市民寄

席は本来は5月なんですが、これまた変則

で6月5日(日)の開催になります。

関西電気保安協会の方の漏電の検査中・・・

ではありません。潮吹亭くじらさんは今回出番

はありませんが、出囃子係と照明係で大忙し

です。この会場は、スポットライトや会場全体

の照度が調整できるのでいろいろな演出が

可能になってます。

中入りの最中、出番を待つ寿亭司之助さん。

ちょっと不安げです。実を言うと入場無料の

素人の寄席の怖さは「中入り」なんですね。

それをきっかけにお客さんが帰ってしまうこ

とがあるんです。でも、おかげさまでほとんど

の方が残っていてくださいました。 m(_ _)m

ネタは当会の名前の原典でもある「寿限無」

です。最近の寿限無ブームのせいか子供さ

んからのリクエストもよくある落語です。自分

の子供に最高の名前を付けようという親心が

大変なことになってしまうんですが、子供の方

はそんなこととは関係なく元気に育ちます。

こちらも出番を待つトリの仁六家拾八さん。

「出囃子が鳴ると心がウキウキしますなぁ」

という根っからの落語好きです。

さて、いよいよ本日の大トリの登場です。演

題は「替り目」。お酒にまつわる人情噺で、

拾八さんの十八番(洒落!?)のネタです。

拾八さんは、酔っぱらいの出てくる噺には定

評があります。やっぱり、実生活でたっぷり

稽古を積んでるせい!?

いつも酔っぱらって女房に悪態をつく主人公

の男ですが、心の中ではいつも女房に感謝し

ているようです。やがて、女房がいない間に

つい本音をポロリ。実に人情味あふれる場面

ですね。それを知ってか知らずか、女房の

丁々発止の反撃も楽しい噺でもあります。

おかげさまで今回も無事にお開きとなり、当

会事務局の吟醸酒蔵みゅ〜じあむで打ち上

げの宴です。今後の定例会は、会場の都合

もあり、4月(17日)・5月(15日)と連続で

グリーンプラザでの駅前寄席となります。お

間違えのないようによろしくお願いします!

大当たり!! この日はグリーンプラザたか

つき1号館の福引きにチャレンジし、なんと、

くじらさんと哀楽さんがそれぞれ特賞である

「愛知万博」ご招待をゲットしました。実にくじ

運の強いお二人です。これで次回の寄席も

大当たり間違いなし!(^_^)v

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