過去の活動報告 No.26

 

噺の会じゅげむ定期公演 VOL.114

 第84回 グリーンプラザ 駅前寄席 

と  き  平成15年6月29日 午後2時開演

ところ JR高槻駅前 グリーンプラザたかつき1号館 4階 多目的ホール

主 催 グリーンプラザたかつき1号館

 

会場の設営も終わり、ほっと一息。高座では

今日ネタおろしの阿遊亭弘遊さんが、ネタの

稽古に励んでます。

前回の定例会の高槻市民寄席に「飛び入り

出演したい!」という申し出で開演前に漫談

で出ていただいたミルキー駿二さん。今回は

歌も飛び出す熱演で開演前ながら、会場を大

いに盛り上げてくださいました。

受付をしているのは右から喜怒家哀楽さん、

今日のトリを務めるの文々亭小輔さん、お茶

子さんの天乃小てるさんです。梅雨の合間で

お天気もよくなり、好調なお客さんの出足でし

た。

さて、今日のトップバッターは、前回の駅前

寄席では堂々とトリを務めた阿遊亭弘遊さ

ん。演目は、ネタおろしの「いかけ屋」です。

昔懐かしい行商の職人さんを腕白坊主たち

がよってたかって遊びの相手にしています。

それでも人のよいいかけ屋さんは、怒りなが

らも相手にしてやってます。人一倍研究熱心

な弘遊さん。いい雰囲気出してました。

二番手は喜怒家哀楽さん。ネタは、得意の

「青菜」です。浴衣姿ながら、あまりの熱演に

汗びっしょり。噺の内容さながらで臨場感?

がありました。

出入りの植木屋さんが旦那にお酒をごちそ

うなっていい気分。その時の旦那の奥さん

の立ち居振る舞いに感動した植木屋さん、

家に帰って同じことを自分の女房にやらせ

ようとしますが…。

今回のお茶子さんも天乃小てるさんです。演

者によって見台を使ったり、使わなかったり、

座布団のひっくり返し方や膝隠しの収納方法

まで、細かい決まり事があったりして、結構、

気をつかう仕事です。

三番手は、寿亭司之助さん。演目は、ネタお

ろしの「老婆の休日」です。

「日曜名画劇場の始まり…」などと洒落て始

まったこの噺、実は病院でのおばあさんたち

の何気ない会話のオムニバスです。会場の

お客さん(特におばあさん)には心当たりが

あるのか、思わずうなずく人もいたりなんか

して、結構、受けていたようです。

中トリは、噺の会じゅげむのトム・クルーズ?

若さと美貌が売りの洋酒家巧駆さんです。

ネタは、「悋気の独楽」の一席。

よくある商家の旦那と御寮人さんとお妾さん

の三角関係の噺です。でも、丁稚の定吉が

介入することで、なんかドロドロした感じが

しなくて、ほほえましくもあります。さて、定吉

の独楽の行方は何処へ…。巧駆さん、上品

な御寮人さんの雰囲気がピッタリでした。

落語日和(どんな日和や!?)の昼下がり。

今日も大入満員の161名のお客様にご来

場いただきました。常連のおじいさん・おば

あさんはもとより若い方や子供さんまで楽し

んでいただいたようです。次回は、7月20日

の高槻市民寄席です。よろしく願いますね。

中入り後は、潮吹亭くじらさん。演題は、ちょ

っと不思議なSR(SF的な短い落語)の「猫」

です。マクラの「猿の交通事故」も大爆笑。

プログラムに好評連載中のくじらさんのコラ

ムは、「くじらのひとりごと」のbS8を

ご覧ください。

ある日突然に人間の言葉がしゃべれるよう

になった元・捨て猫の五郎ちゃん。人間に対

する不満を爆発させます。猫と人間との間で

繰り広げられる摩訶不思議な会話が聞き物

です。猫がしゃべれるようになったと思ってい

た主人公ですが、実のところは…。

さて、本日の大トリは、噺の会じゅげむの若

さあふれる青年部(といっても巧駆さんと2人

だけ)代表の文々亭小輔さんの登場です。

演目は、十八番の「茶の湯」の一席。

暇をもてあましたご隠居さん、なぜか茶道に

興味を示し、見よう見まねで茶会を開きます。

怪しげなお茶(もどき?)とお菓子(の

ようなもの?)にお客さんは辟易…。そ

のうち茶の湯(とは名ばかりのもの)は

被害者をドンドン増やしていきます。

何も知らずに「お茶(もどき?)」を口

にしたお客さんの顔! この表情でこの

茶の湯の悲惨さが伝わるでしょう!!

小輔さん、この顔の練習はどこでしてた

の?  おかげさんで大爆笑のうちに会

はお開きになりました。

打上げはいつもの吟醸酒蔵みゅ〜じあむ

す。長年、うちの会の事務局兼楽屋になって

もらってます。ビールで乾杯のあとは、この店

自慢の吟醸酒の数々で気持ちよく酔わせても

らいました。(マル秘情報…司之助さんは酔い

つぶれて、大の字になって寝ていたそうです)




噺の会じゅげむ定期公演 VOL.115

第21回 高槻市民寄席 

と き  平成15年7月20日 午後2時開演

ところ  高槻市立生涯学習センター 1階展示ホール

共 催  (財)高槻市文化振興事業団 生涯学習センター / 噺の会 じゅげむ

なんべん見ても、実にええ高座に仕上がって

います。会場設営も終わり、今日はネタおろし

の文々亭小輔さんを囲んで落語の仕草の研究

会を開催中!?

 開演前の楽屋です。今日は番組に入っていな

い洋酒家巧駆さんが三味線の調子を合わせて

います。

また、開演前と中入りでは、潮吹亭くじらさんの

一押しの演歌歌手・前田有紀さんの新曲「東京

キリギリス」のキャンペーンもやりました。

今日の受付は、天乃小てるさんの姪御さん

で奄美大島からはるばる駆けつけてくれた

小学4年生の歩寿(ありす)ちゃんも浴衣

姿でお手伝い。

 

さて、まだ開演前ですが、洋酒家巧駆さんが

前説がわりに三味線の実演と小咄なんかを

披露。持ち味の軽妙な語り口と生の三味線の

演奏でお客さんも寄席の雰囲気を満喫して

ました。

トップバッターは、前回の駅前寄席ではトリの

重責を果たした文々亭小輔さん。今日は軽く

「つる」の一席です。鶴はなぜ「つる」というの

か? 素朴な疑問なんですが、これが意外と

難しい。

物知りの甚兵衛さんですが、なにやら怪し

げな説を説きます。それを真に受けたこの

男、自慢げに吹聴しようとしますが…。こ

のところ、噺に安定した力を発揮している

小輔さん、定番のネタもテンポよくこなし

て、トップの役目を果たしてバトンタッチ。

ありすちゃんには、お茶子さんのお手伝い

もやってもらいました。かわいいお茶子さ

んの登場に会場も和みます。

二番手は、阿遊亭弘遊さんです。ネタは、

「犬の目」の一席。この噺、落語というよ

りSFですな。私は、昨年公開の洋画「マ

イノリティ・リポート」を観た時に、思わ

ずこの「犬の目」を思い出してしまいまし

た。

目を患った主人公の男ですが、友人の紹介

で、これまた怪しげなお医者さんの診察を

受けます。荒療治の手術の結果は成功?不

成功? 年齢不詳の弘遊さん(巷の噂では

当会最年長!?)ですが、メリハリの利い

た若々しい高座です。

当会専属の本来のお茶子さんの天乃小てる

さんも、この日は浴衣姿で受付と高座の段

取りに忙しく働いています。

三番手は、当会の岡山支店から出張落語の

讃岐家かずのこさん。演目は、「代書」で

す。この噺は演者によってずいぶんと変化

します。それだけ、演者の個性というか特

徴がよく出るのでしょうか。

かずのこさんの「代書」は、故・枝雀師匠

バージョンがベースですが、故・春蝶師匠

に似てる(拾八さん談)かずのこさん演じ

る主人公は、かずのこ流の独特な雰囲気を

醸し出していました。

今日は豪華にダブルお茶子さんです。浴衣

のよく似合う小てるさんとありすちゃんの

お二人が協力して要領よく演者交替の準備

をしてくれました。

中トリは、喜怒家哀楽さんです。珍しいこ

とに高座で、お茶子見習いのありすちゃん

とコミュニケーション。実にほのぼのとし

た場面ですな。

今日の哀楽さんの演題は、「厩(うまや)

火事」。古代中国の思想家・孔子の馬に関

する故事に基づいた人情味あふれる落語で

す。哀楽さんの家庭事情のマクラもいつも

ながらおもろかったです。

「好きやけど嫌い、嫌いやけど好き…」

といった夫婦間の人情の機微に触れる結構

難しい噺ですが、さすがは哀楽さん。実に

いい味の夫婦を演じ、客席を和ませてくれ

ました。夫婦の情愛というものはこんなも

んなんでしょうか。

 今回は前回(新会場での初回)とは違い、

本来の案内状なしの公演なので、少々心配

もありましたが、今回も開場時間前からお

客さんが続々と来場され、前回に引き続き

153名の大入りとなりました。

中入り後は、仁六家拾八さん。ネタは十八

番の「二人ぐせ」です。ことわざでも「無

くて七くせ」なんてことを言いますが、本

人は気づかなくても、人間には誰しもくせ

というものがあるものです。

「飲める」が口ぐせの男、と「つまらん」が口ぐ

せの男が壮絶な舌口バトルを繰り広げます。

手練手管を駆使して相手の口ぐせを誘います

が、どちらに軍配があがりますことやら…。

拾八さんのキャラクターによくあった噺で、ボケ

と突っ込みの漫才みたいな感じでした。

さてさて、本日の大トリ、満を持しての登場は

潮吹亭くじらさん。演題は上方落語でも大ネタ

の部類に入る「植木屋娘」です。

当日のプログラムに好評連載中のくじらさん

のコラムは、「くじらのひとりごと」bS9

に掲載しています。

植木屋の幸右衛門の娘おみつとお寺に住み

込みの伝吉との恋物語というか、親たちの

婿取り大作戦です。親と娘の気持ちが一致

し、意気揚々と婿取りにお寺に乗り込んだ

幸右衛門ですが、伝吉の素性を知らされ、

作戦は暗礁に乗り上げてしまいます。

ところが、思わぬ展開から物語は大団円へ

と向かいます。くじらさんは本来の噺の筋

に工夫を凝らし、それぞれのキャラクター

を作り上げ、くじら風味の「植木屋娘」に

仕上げました。長講の一席でしたが、お客

さんも物語に入り込んでいました。

新会場2回目の公演も無事にお開きとなり、

いつもの吟醸酒蔵みゅ〜じあむで打上げ。

美味しいお酒を味わいながら、和気あいあいと

落語談義に花を咲かせる楽しいひとときです。

次回の定例会は、8月17日のグリーンプ

ラザ駅前寄席です。よろしくお願いします。

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