過去の活動報告 No.129





第320回 噺の会じゅげむ定期公演

 
高槻阪急百貨店 駅前寄席 vol.192
   
と き  令和3年10月17日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻阪急百貨店 6階多目的ホール 


緊急事態宣言により4月以来半年ぶり

の開催となった高槻阪急百貨店での

「駅前寄席」です。

天候は秋晴れでした。


店内は、ハロウィンの飾りつけが目を

引きます。


会場の多目的ホールは、いろんなイベント

や団体の会合に利用されるため、寄席会場

の設営は、放置された机などの後片付け

から始まります。


およそ1時間をかけて会場設営が完了。

客席の間隔を広く開けて、今回も定員を

50名限定ということで開催します。


高座から見た客席の状況。まばらなよう

ですが、満員になれば、結構、盛り上がり

ます。心配なのは、この定員数をオーバー

して、入場をお断りすることです。そのた

めに、ひとつの対策を講じました。


その対策とは、毎回送付している案内

ハガキを常連さんで近辺居住の方と先月

の定例会の入場者で案内を希望された方

に絞って、名簿の半数の54名の方に

のみ送付させていただいたことです。


開演の1時間前からそのハガキを持って

ぼちぼちとお客さんが来られました。

もちろん、案内状のない新規のお客さんも

おられますが、先着順で入場はOKです。



お客さんからは、お菓子の差し入れも

いただきました。まことに有難いことです。


開演前には、50席の客席がほぼ埋まって

きました。今の時期、お客さんは多くても

少なくても不安材料になります。

今回の活動報告も、くじらいだー@さん

ブログの「ミニ活動報告」を引用させて

いただいてます。(以下の
青字
の部分)


前説は、潮吹亭くじらさん。

どちらかといえば「前説」は苦手なんです

が、今回は先日亡くならた柳家小三治師

への追悼コメントなどなど、結構手ごたえ

ありました。


演者が使用する見台や膝隠しや小拍子も

感染拡大の温床になるので、その都度、

アルコールで丁寧に消毒します。


トップは、高月亭すばるさん。演目は、

「天狗さし」です。すき焼きの肉を、

普通の肉ではなく、天狗の肉にしたいと

思い、天狗を捕まえるために京都の

鞍馬山に登るという奇想天外な噺。


奇妙な飲食店を開こうとする主人公。

ある意味、「商売根問part2」ともいえる

ネタですね。サゲは現代風に変えてます。

これが衆議院解散直後のタイムリーな

時事ネタとなりました。


二番手は、南茶亭おすしさん。演目は、

「ハンカチ」です。ハンカチ1枚をめぐり

夫婦げんかになりますが、ひょんなこと

から夫は商店街のイベントで「妻に愛を

叫ぶコンテスト」に出場します。新しい

趣向の人情噺とも言えます。


早いもので、おすしさんやざくろさんが入会

されてちょうど10年になるんですね。お二方

とも、今、当会になくてはならないメンバー

です。夫婦愛とはなにか、まさに現代風

「替り目」です。


お茶子は、志熨家かりん・寿亭さや豆の

母娘コンビで、テキパキと次の高座の

準備を整えます。


三番手は、洋酒家巧駆さん。演目は、

「まめだ」です。いたずら好きな小狸は、

懲らしめられた時にケガをしてしまい、

そのケガを治すために、膏薬を買うの

ですが・・・。郷愁を誘う人情噺です。


諸般の事情で、今年3月以来の高座と

なりました。小品ながら、もの悲しくもあり

じっくり聴かせる噺。独特の存在感を示し

ました。


中トリは、三流亭志まねさん。演目は、

江戸落語の「金明竹」です。名器と

言われる道具類などが次々と登場します

が、すべて実際にあるものばかりだそうで、

落語と言えども嘘ばかりではありません。


膝を痛めて「正座」がおぼつかない・・・

落語の演者としては致命的。それでも懸命

に高座を守り続けました。「金明竹」なら

ではの立て弁も乗り越えてまさに必死の

中トリでした。


おかげさまで、定員50名満員となりました。

お断りした方はありません。お客さんの入れ

替わりがあったので実質の入場者は54名。

何と、送付した案内ハガキの数と入場者数

がドンピシャリでした。悩んだ甲斐あり!?


ここで、中入りの休憩です。

大人用のハッピを着込んださや豆も

後ろ姿はまるで大人のようです。


ひざの痛みに耐えかね、楽屋で倒れ込む

志まねさん。普段は活動的な山男でも

正座しなければならない高座の山には

苦労しているようです。


さや豆の歴代のハッピ。2歳でお茶子

デビューした時のハッピ(左端)から

どんどん成長して、特製のハッピも小さく

なって、ついに大人用のハッピを着るよう

になりました。


中入り後は、六弦亭ざくろさん。演目は、

「ハードラック」です。何をやってもツイて

なくて、うまく行かない男が、自殺しよう

といろんな方法を試しますが、今度は、

ことごとく失敗し、生き延びてしまいます。


上方落語協会会長・笑福亭仁智師の

創作落語。後半は死刑執行未遂の

シーンが続いて、落語とわかっていても

ハラハラドキドキの展開です。


トリは、びい亭るうずさんです。演目は、

「火焔太鼓」。江戸落語の名作とも言え

る噺で、古今亭志ん生師匠が得意にして

いたネタですね。最近では、上方にも移植

され、演じる上方の噺家も多いようです。


今日はなんやかんやで時間がかなり押し

まして、やや飛ばし気味となりましたが、

それでも大いに受けてトリにふさわしい

高座となりました。サゲはるうず流に変え

ています。おなじみの型で聴きなれた人に

は「おや?」でしたが・・・


いつも損ばかりして、女房に小言ばかりを

言われている道具屋の主人。その主人の

仕入れてきた汚い太鼓が、実は名器だった

ことから、武家屋敷で一騒動が起こり、後

に大儲けすることになるという噺。



今回も無事お開きになり、お客さんを

お見送りさせていただきました。

プログラム連載中のくじらさんのコラムは、

特集コーナーの「くじらのひとりごと」

掲載しています。



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 第119回 高槻市民寄席  

と  き  令和3年11月21日(日) 午後2時開演

ところ 高槻市立生涯学習センター 1階 展示ホール


共 催 高槻市立生涯学習センター/噺の会じゅげむ


全国的に新型コロナウイルスの感染者

もかなり減ってきましたが、まだ、安心は

できませんので、入場制限(100名)と

いうことで開催させていただきました。

午前中はいい天気でしたが、午後は曇。


会場設営は、若干の人出不足でしたが、

ああでもないこうでもないと言いながらも、

何とか進んでいます。



高座作りも少々難航しましたが、

何とか完成しました。


会場前の受付周辺のディスプレイは

順調に進んでいます。



ビデオ撮影の準備中。当会の定例会は、

基本的にビデオで記録しています。

出演者は、自分の高座を自ら客観的に

鑑賞して、次回の高座の参考にして

います。


楽屋や高座周辺も整えねばなりませ

ん。お客さんから楽屋が見えないように

のれんを掛けたり、高座までの経路に

障害物がないように注意します。

  


楽屋内では、その日にお客さんに

お配りするプログラムへ一連番号

を書き込み、次回定例会やその他

の寄席のチラシを一組ずつ組み合

わせて行きます。


完成した寄席会場です。コロナ以前は、

椅子を密着させて、200名は座れたの

ですが、現在は、感染予防のため、客席

の間隔を空けて、定員100名のみという

ことになっています。


お茶子は、志熨家かりん(右)さん

と寿亭さや豆(左)ちゃんの母娘

コンビです。さや豆ちゃんは、毎回

いろんなお客さんからお土産の

お菓子をもらえるので大喜びです。


開演1時間前には、すでに、多くの方が

お待ちで、行列ができてしまいました。

まことに有難いことです。

今回の活動報告も、くじらいだー@さん

ブログの「ミニ活動報告」を引用させて

いただいてます。(以下の
青字
の部分)


前説は、出番のない三流亭志まねさん

です。今回は、ゲストの日本舞踊の解説

や会場トイレの工事中やらお伝えすること

が多くて大変なようでした。


予定どおり午後2時に開演です。100席

の会場はほぼ埋まってきました。開演時

でこの状態だと、この後、席数を超えて、

入れない方が出ないかという心配事が

頭に浮かんできます・・・。


トップは、びい亭るうずさん。演目は。

「目薬」です。医者からもらった目薬の

使用法を、うろ覚えの知識で何とか解読

しようとして、女房を巻き込み、思いも

よらぬ使用法に発展してしまいます。


るうずさんは地元の大津市でも寄席を

開催しています。
平和堂石山寄席のチラシ


昔の目薬は粉末。

そう、粉末ならではの使用法なり!?

トップから、客席は大うけです。


二番手は、潮吹亭くじらさん。演目は、

「宿屋町」です。昔の宿屋町の風景描写

が楽しい落語になっています。

また、マクラでは、プロの寄席の前座

として出演することを発表!

 ※ くじらさんの持つチラシの拡大版はこちら。

12月12日(日)茨木市「ワムワム

らくご」の前座で出演させてもらい

ます。

旅ネタならではのやりとり、

少しは楽しんでもらえましたでしょうか?



名ビラを返すのもお茶子さんの大事な

仕事です。さや豆ちゃんは、この間まで、

踏み台を使っていましたが、最近は、

踏み台無しで名ビラ返しができるように

なりました。


三番手は、寿亭司之助さん。演目は、

泥棒の噺の「花色木綿」です。

「花色木綿」とは、はなだ色に染めた

木綿のことで、着物の裏地によく使わ

れたそうです。


「花色木綿」は、司之助代表の

鉄板ネタです。

「医者やない、石屋じゃ」このギャグ、

まだまだ使えますね。


中トリは、急きょ、出演できなくなった

メンバーの代演を六弦亭ざくろさんが

努めました。演目は、「禁酒関所」。

禁酒令の出た武家屋敷へ何とか

酒を届けようとする商人と関所の

侍のやりとりが実に面白い落語です。


急な代演にもかかわらず、いつもの

元気印の高座です。

現実には飲酒を控えておられる

ざくろさんが、みごとに「水カステラ」

を飲み干しました。


おかげさまをもちまして、入場をお断り

することもなく、100名定員のところ、

97名の方にご来場いただきました。

改めまして、深く御礼申し上げます。

オーバーせずにホッとしました。


中入りです。この日は、1階と2階の

トイレが工事中で、3階まで行かなけ

ればならないので、いつもの10分よ

り長めの15分の休憩にしました。


高座で演者が感染するリスクもあり

ますので、演者が変わる度に高座

周辺も消毒しています。


ゲストの西川香蓉さんの日本舞踊。


1曲目「いのちの花を咲かせよう」

尼僧でシンガーソングライター鈴木君代

さんの曲。日蓮上人への熱き思いを

こめた一曲。


2曲目「おてもやん」 歌唱は江利チエミ

さん。こちらは思い切り明るく。

いわゆる「創作舞踊」。日本舞踊の

格式ばったイメージとは違うようです。


トリは、歩鱈小酔(ほたら・こよう)さん。

演目は、久しぶりの「天災」。攻撃的な

性格の男を諭そうと、心学(心を修養

する学問)を学ばせます。その「天災」

にまつわる問答がすごいです。


短気でケンカ好き、そんな八五郎を

「心学」の先生が解きほぐします。

そう、すべての人類がこの教えを実践

すれば、みんなが小酔さんのような

おだやかな人間になれるんですな。

ありがたい、トリの一席。


とはいえ、主人公が心学の先生のマネを

して、長屋の連中に「天災」を諭そうと

しますが、とんでもない方向へ行ってしま

います。人生、ここまで達観できれば、

世の中は平和になるでしょうね


今回も無事にお開きになり、お客さんの

お見送りです。皆さんの笑顔が明日への

糧になります。


次回定例会は、12月19日(日)の

高槻阪急百貨店での「駅前寄席」

です。定員は50名になりますが、

よろしくお願いします。



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第322回 噺の会じゅげむ定期公演

 
高槻阪急百貨店 駅前寄席 vol.193
   
と き  令和3年12月19日(日) 午後2時開演

ところ  
高槻阪急百貨店 6階多目的ホール 


今年最後の定例会になります。

実にいいお天気ですが、まだ、コロナの

影響で、50名の入場制限実施中。

緊急事態宣言が解除されても、

なかなか生活は元通りには戻りません。


店内は、クリスマス商戦の真っ最中です。


会場の多目的ホールに置かれた机などの

撤収作業を皆で一斉に取りかかります。

その後に、高座と客席を設営します。

こちらの机は、かなり重いので、翌日は

筋肉痛になってしまいます。


設営中に同時進行で、プログラムの

通し番号を記載します。この数字で

入場者数を管理しています。


コロナ前は、常時100人を超えるお客

さんが来場されていましたが、入場制限

のため、椅子は間隔を広めにとって並べ

ています。


設営が終われば、お客さんにお配りする

プログラムやチラシを組み合わせて準備

します。その手間もいつもの半分以下で

すが・・・。


開演を待つ駅前寄席の高座。今年で

ついに30周年を迎えることになります。

できれば、コロナから解放された形で

記念公演をやりたいものです。


有り難いことに、開場時間前から多くの

お客さんがご来場。とりあえず、入場制限

があるので、案内ハガキの数も絞り込んで、

発送しています。


開演前に定員の50名に達しましたので、

急きょ、司之助さんが前説で登場し、

時間前倒しでの開演を宣言しました。


ということで、定員50名ながら、満員の

会場で駅前寄席の開演です。


今回の活動報告も、くじらいだー@さん

ブログの「ミニ活動報告」を引用させて

いただいてます。(以下の
青字
の部分)


トップは、歩鱈小酔さん。演目は十八番の

「時うどん」です。屋台のうどん屋をうまく

だまして、勘定を1文ごまかそうとするの

ですが、なかなか思うようには行きません。


予想通り、うどんを食べるシーンで大うけ。

小酔さん自身もいつもよりノリノリだった

ような。

会場は50人ながら、100人分の笑い声

が・・・


二番手は、三流亭志まねさん、演目は、

「権助魚」です。旦那のお妾さん訪問の供を

した下男の権助は、御寮人さんに責め立て

られ、言い訳用に魚屋で買ってきた魚で

その危機を乗り切ろうとするのですが・・・


今日もこの高座のために東京から

駆け付けます。

そして確実に客席を笑いの渦に・・・

今日も権助の大活躍です。


お茶子は、寿亭さや豆さん。高座周りの

消毒も重要な仕事になっています。


三番手は、潮吹亭くじらさんです。演目は

こちらも十八番の「餅つき」。女房のお尻

を叩いて、餅をついている音を近所に

聞かせて見栄を張ろうとします。くじらさん、

見事に餅つきの音を再現してました。


前の二人が充分に客席を温めてくださった

おかげで、気持ちよく高座に臨めました。

落語ならではの年末風景が少しは伝わり

ましたかな・・・?


おかげさまをもちまして、定員50名が満席

となりました。最終的には、お客さんの出入

りがありましたので、57名の入場者という

ことになります。


中トリは、南茶亭おすしさん。演目は、

摩訶不思議な「宿屋ばばあ」です。

とある宿屋の90歳の女将。その正体は

いかに・・・? おどろおどろしいタイトル

とは真逆のダジャレのオンパレードです。


笑福亭福笑師の創作。

普段から「ダジャレ王」のおすしさんに

ハマりすぎの噺ですが、実は「村おこし」

というテーマもあります。


ここで、中入りの休憩です。

寄席では、縁起を担いで、人が大勢

入るように、「中」に「にんべん」を

つけて「仲」と表記することが多いよう

です。


中入り後は、寿亭司之助さん。演目は、

昔の床屋さんの待合室での風景描写の

「浮世床」です。昔は、お風呂屋さんや

床屋さんなどは、人寄り場所と言われ、

貴重な情報収集の場だったようです。


この「浮世床」は襲名して間もない頃の

枝雀師の型だそうです。ややもすると

ダレがちな中入り後をきちんと締める

あたりはさすがの代表です。


トリは、悠々亭一光さん。演目は、人情噺

の「井戸の茶碗」です。正直者のくず屋が

裏長屋の浪人から仏像を買いとり、これを

今度は別の侍に安価で転売し、仏像の中

から小判が出てきて大騒ぎになります。


2021年定例会の大トリです。とてつもない

正直者の応酬となる不思議な世界。

一光さんの人柄にもマッチ。

今年のフィナーレにふさわしい一席です。


幕末の噺家・春風亭柳枝が講釈の

「細川茶碗屋敷の由来」を人情噺に

仕立て直したものと言われています。

噺がどんどんエスカレートしていくのは

いかにも落語らしい展開ですね。


今回も無事お開きになり、スタッフ総出

で、お見送りさせていただきました。

プログラム連載中のくじらさんのコラムは、

特集コーナーの「くじらのひとりごと」

掲載しています。

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